習政権と武漢市、泥沼の責任転嫁 市長2週間以上姿消す

2020/02/18
更新: 2020/02/18

新型肺炎の発生源である湖北省武漢市周先旺市長が1月27日以降、公の場に姿を見せていないことに憶測が飛び交っている。中国習近平政権と武漢市政府は、収束の見通しが付かない新型肺炎のまん延について、責任を擦りつけ合っている。

周市長は1月27日、国営中央テレビ(CCTV)の取材に対して、「地方政府は情報を得た後、まずそれを公開する権限を(中央政府から)受けなければならない。これについて、当初から(市民の)理解を得られなかった」と述べた。新型コロナウイルスの感染情報を直ちに市民に公開できず、感染拡大を招いた責任は市が負うべきではないと示唆した。

市長の発言について、国内外で大きな波紋が広がり、「市長は濡れ衣を着せられたくないため反発した」との声が上がった。

周市長が最後に姿を見せたのは、1月31日に開かれた新型肺炎感染防止に関する記者会見だった。これ以降、副市長が関連会議や催しに出席している。

武漢市公式サイト「漢網」は2月12日、周先旺・武漢市長のための弁護を行った。同サイトが掲載した記事では、「ウイルスが全国に広まったことに対して、武漢の周先旺市長に言い逃れできない責任があると皆は言っているが、しかし誰が周市長の無力さを理解してあげられるのか?」と主張した。

「感染が発生した12月に、武漢市は早くも国家衛生部門に報告し、専門家チームが武漢市に来て調査を行った。市長は医学出身ではないので、専門家の意見に従っただけ。どこが間違っていたと言えるのか?」「ウイルスがヒトからヒトへ移ると鐘南山氏が発表した後、周市長は多大な政治的リスクを冒して、かつてない都市封鎖措置を実施した」とした。

フランス国営放送局(RFI)中国語版2月12日は、武漢市は「ただ単に責任を(中央政府に)押し付けようとしているだけではない」「挑発しているとの見方がある」とした。

在米中国人経済学者、何清漣氏は2月10日、大紀元に寄稿し、周市長の発言について、市長の背後に反習近平勢力の存在の可能性があるとの見方を示した。何氏は「中国共産党政治体制、特に党内権力闘争の歴史を知る人はみな、わかっている。共産党の上級幹部が大きな過ちを犯しても、下級幹部がそれを指摘することはなく、逆に下級幹部が自らの過失として謝罪するのだ。バックに誰かがいなければ、周先旺氏は公に、最高指導者(習近平氏)に責任を押し付ける度胸はない」と指摘した。

一方、習近平政権も周先旺市長の発言を念頭に反論を行った。

党機関誌「求是」は15日、2月3日に開かれた党中央政治局常務委員会の新型肺炎防疫対策に関する会議内容を報道した。記事は、習近平国家主席が1月7日と20日、武漢市で発生した新型肺炎に関して感染拡大防止の指示などを行い、22日に湖北省政府に対して市民の外出や他の地方への訪問・滞在を厳格に規制するよう命じたと強調した。

記事によれば、習近平氏は会議で、「旧正月から今まで、防疫対策は私の最大の関心事となっている。私は常に感染のまん延状況と感染防止の進展状況をチェックしており、いつも口頭で指示を行ってきた」と話した。

中国共産党は2月13日、湖北省党委員会書記と武漢市党委員会書記を更迭した。湖北省衛生当局のトップも同月11日に解任した。

(翻訳編集・張哲)