米司法省、中国軍ハッカーを起訴 米大手信用企業から1億4000万人分データ盗む

2020/02/13
更新: 2020/02/13

司法省ウイリアム・バー(William Barr)司法長官は10日、米信用機関3大手のひとつエクイファックス(Equifax)社から米国人口の半数に相当する1億4000万人の個人情報を盗んだ罪で、中国軍のハッカー4人を起訴したと発表した。長官によると、史上最大級のデータ漏えい事件の1つだという。

相次ぐ中国側の情報窃盗に対抗して、ホワイトハウスは、2021年度予算で、量子ネットワーク(quantum)と人工知能(AI)へのハイテク技術開発に予算を追加する。

このほど公開された中国軍の4人のハッカーの名前はそれぞれ呉志勇、王乾、許可、劉磊。司法省は、被告の軍制服姿を含む写真を公開した。4人は、エクイファックス社のコンピュータシステムに侵入した。

バー長官は記者会見で、2年間の調査の結果、4人を経済スパイ活動の容疑で訴追したと述べた。

「私たちは長期にわたり、中国当局の膨大な貪欲さを目の当たりにしてきた。米国連邦人事管理局からの人事記録、マリオットホテルの顧客データ、ウェルス健康保険の利用者名簿、今日では、エクイファックスだ。これらのデータには経済的な価値があり、盗まれた情報は中国におけるAIツールの開発や、さらなるスパイ工作に使えるものだ」とした。

事件が発覚したのは、2017年夏、エクイファックスの脆弱性が明らかになってから、1億4000万人近くの米国人の名前、誕生日、社会保障番号、そして少なくとも1000万人の米国人の運転免許証のデータが盗まれたという。中国のハッカーグループは、エクイファックス社の企業秘密や知的財産権も盗んだ。

米議会上院のサイバー安全保障チーム創設者であるマーク・ワーナー(Mark Warner)上院議員は今回の起訴について「中国政府は長年、西側企業を標的にしてきた。多くはトランプ大統領が口癖のように言っているが、最近の中国との政府間合意は無視され続けている」と声明で述べた。

2月10日、ホワイトハウスは新年度予算案を国会に送り、同日午後に説明会を行った。それによると、2021年の予算には、量子ネットワークと人工知能の研究開発費を増加させる。量子ネットワークの設計は、完全な情報網の安全性を確保することができるとされるハイテク技術だ。

ホワイトハウスの幹部は、ボイス・オブ・アメリカ(VOA)の取材に対して、中国の名指しは避けたものの、「人工知能を使って国内の少数民族を追跡したり、異見者を監視したりする国は、米国の価値観に反する」と述べ、ハイテク技術分野でも、米国がトップの地位を確保し続けることが重要だと語った。 

(翻訳編集・佐渡道世)

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