2月6日、米国高官は次世代通信規格5G設置で、フィンランドのノキア(Nokia)とスウェーデンのエリクソン(Ericsson)を支援する投資計画を積極的に検討すべきだと述べた。両社は、中国通信機器大手ファーウェイ(華為技術)に競合する数少ない企業。通信技術は各国の安全保障上の重要項目となっている今、米中は、世界で優位性獲得を争う「5G覇権争い」を続けている。
米国政府が米上場企業に投資計画を積極推進するのは非常にまれ。かつては破産寸前の企業に救済策を講じたことはあるが、外国企業への投資は異例の提案となる。
米有力シンクタンク・戦略国際問題研究センター(CSIS)が催した、中国スパイ対策を中心に議論する「経済的不正行為」会議に出席したウィリアム・バー司法長官が、講演のなかで明かした。長官は、ノキアとエリクソンの投資について「米国が直接投資するか、または米国と同盟国の民間投資グループを介して行う」と提案した。
「この電子戦に立ち向かい、技術的なリーダーシップ、経済力、わが国の安全保障を維持していくためには、官民一体となって力を合わせて戦う必要がある」とバー長官は述べた。長官は「米国の強力な市場と財務力」をノキアとエリクソンに投資することで、中国ファーウェイへの懸念を取り除くことができるとした。また、米の同盟国にこのアプローチを積極的に検討するよう呼びかけた。
バー長官は、「中国が現在5Gを先導している。すでに市場の40%を獲得し、残りの市場シェアを積極的に探している」と述べた。
また、中国が「主要な敵だ」とし、ファーウェイは中国軍との繋がりが強く、政府補助金を受けて世界でシェアを拡大した。長官は、中国企業の5G占有率の高さが米国の安全保障上のリスクに直結するとの危機感をあらわにした。
(翻訳編集・佐渡道世)