新年のごあいさつ ー天滅中共ー

2020/01/01
更新: 2020/01/01

新年あけましておめでとうございます。

2019年末に露わになった、日本のIR(統合型リゾート)汚職に関わる中国企業の政治工作問題。この事件は、明白な外国組織による日本政治への干渉といえるでしょう。東京地検特捜部は議員と同社元役員らを収賄、外国為替法違反の容疑でそれぞれ逮捕しました。日本には内政干渉を犯罪とみなし、刑事起訴する法律がないのです。

中国共産党による政治干渉は、世界各国に及んでいます。危機感を募らせる国は、法整備に着手しました。オーストラリアでは、中国出身の国会議員が中国共産党の浸透工作に助力していた問題が社会に広く認知され、外国勢力の排除およびスパイ防止法が大幅に見直されるに至りました。米国政府は中国共産党のスパイを相次ぎ摘発し、中国政府系メディアを外国代理人に登録するなど、国益を損なう中国の動きを徹底して締め出そうとしています。

総統選挙が間近に迫る台湾では、中国からの政治的影響力を阻止するための「反浸透法案」がスピード可決しました。蔡英文総統は出馬宣言で、今回の総統選は対岸(中国)との戦いでもある」と明言しています。

これらの国が中国共産党の影響力の排除に努めるのは、全体主義を世界に広げようとする中国共産党の野心とその危険性を認識したからではないでしょうか。豪州の知識人クライブ・ハミルトンは、著書『サイレント・インベージョン(静かなる侵略)』で、中国の内政干渉とは、西側式の民主主義を利用して「中国式の社会主義」を輸入させることだと形容しています。

2019年、中国共産党の政治工作および圧力に、果敢に挑んだのは香港市民です。反逃亡犯条例が引き金となった抗議運動はすでに半年以上続いています。当初50年間を保証された一国二制度はわずか22年で形骸化したのです。それでも、自由と法治を求めて、香港市民は押し寄せる赤化の波に立ち向かっています。

米トランプ政権は主に貿易戦を通じて、共産主義体制の中国問題に正面から取り組んでいます。不正な貿易慣行、人民元の為替操作、知的財産侵害の追及のほか、人権問題まで追及は拡大しました。議会では共和党・民主党の両党議員が新疆ウイグル、チベット民族の迫害、香港市民への暴力的鎮圧について非難の声も強めました。宗教の自由問題担当の米国特別大使は、法輪功学習者が主な犠牲者とされる臓器ビジネスを非難し、即刻停止を呼び掛けています。人権侵害者に制裁を加えるマグニツキー法の発動も検討されており、未曽有の人道犯罪に臨む米国の姿勢に、日本も追随するべきです。

米国の知中家マイケル・ピルズベリー氏は著書『100年マラソン』で、中国がアメリカ主導の世界の政治経済を覆し、共産党誕生100周年となる2049年までに、共産主義による世界支配を目標とする長期戦略を持つと解説します。欧米式民主主義が普通選挙により政権を交代させるのと異なり、中国共産党には絶大な権力が集中するため、党が10年から100年という長期的な戦略計画を練ることが可能になっています。

これほど長期的な計画を図る中国共産党に、日本はどのような対応ができるでしょうか。実は70年ほど前、遺書にまで共産主義勢力の危険性に触れ、警鐘を鳴らしたのは、東條英機・日本陸軍大将でした。東京裁判での死刑判決後に書いたとされる遺書には、事実上統治する米国に向けて「日本人が赤化しないように頼む」と残しています。東条が家族に宛てた遺書には孝行、忠誠、愛国、献身、道義、精進といった伝統的価値を示す言葉で満たされています。

蒋介石もまた、赤化の脅威について語っています。1957年の著書『20世紀の十字軍』で、「残虐で非人道的な方法で人々の自由を奪い、横暴を振るった。共産主義は一日も休まず、世界は一日も安寧を得られない」「共産主義者たちは宇宙の物体を創造した支配者ではなく、自分を崇拝する最も卑劣な偶像崇拝者だ」と強く批判しています。

歴史が明らかにしているように、共産主義政権は残忍な独裁者を生みました。ジョセフ・スターリン、毛沢東、ポル・ポト、フィデル・カストロ、エーリッヒ・ホーネッカー、ニコラエ・チャウシェスク、金日成など。赤い独裁者は人々をたぶらかし、恐怖させ、虐殺することで権力を維持していました。20世紀、共産主義により1億人以上の人々が殺害され、10億人以上を奴隷化しました。

「赤化」の赤は、暴力革命による犠牲者の鮮血を表しています。東條大将は遺書から、また蒋介石は著書を通じて、共産主義に染まる世界に幸福はなく、惨たらしい闘争の繰り返しと国の崩壊であると、後世の人々に伝えたと理解できます。

IR汚職事件で明るみに出た中国企業の政治工作はおそらく、氷山の一角に過ぎないでしょう。日中友好協会、中国国際友好連絡会などの統一戦線組織は政治家、官庁、財団、地方自治体に接触、一歩一歩、浸透工作を進めています。各国で相次ぎ閉鎖された孔子学院は日本で増え続けています。中国共産党による干渉を防ぐ法整備は急務です。

危険を顧みずデモを続ける香港市民が掲げるスローガンのひとつに「天滅中共(神は中国共産党を滅ぼす)」があります。大紀元の社説『九評共産党(中国共産党に対する九つの評論)』は、この四文字の解釈のひとつを、「全ての人が共産党の邪悪な本性を認識して、その虚像に騙されなくなれば、中国共産党に滅びる時がくるだろう」としています。

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