「無印良品」のブランドで知られる日本の大手小売・良品計画が、中国本土の同社商標を模倣する企業により「商標権侵害」の訴えを受けた裁判で、このほど、北京高裁でも良品計画が敗訴した。
このほど、北京市の高級人民法院は、日本企業の良品計画に対して、「良品計画」の商標を保有する北京棉田紡織品有限公司(以下、北京棉田)に賠償金など約1000万円を支払うよう命じる判決を下した。良品計画は「本家」であるにもかかわらず、商標権がはく奪された。
この決定は、実際の店舗販売のみならず、公式のオンラインショップ「MUJI無印良品ネットストア」や同社が契約していた中国の大手ネット通販サイト・アリババECサイト「Tmall(天猫)」で、一部製品に「無印良品」のロゴが使用できなくなる。
この裁判劇は2001年4月28日に遡る。良品計画は中国で「無印良品」を商標登録した。同時期に、海南南華實業貿易公司も「無印良品」を登録。しかし同社は2004年に商標を北京棉田に譲渡。北京棉田は2011年に「北京無印良品」を設立すると、2015年、日本の良品計画を特許侵害で訴えた。
北京高裁は、被告(良品計画)がバスタオル、フェイスタオル、浴室マットなどに、原告(北京棉田)のロゴと類似した「無印良品」「MUJI無印良品」「無印良品MUJI」を使用し、原告の商標権を侵害したと判断した。しかし、今回の裁判は24類(織物類)に関する登録であり、良品計画はそれ以外の商品ならば「無印良品」商標を継続して使用できる。
2018年の地方裁で敗訴の決定が下り、良品計画は、不服を申し立てて、北京高裁に上訴した。しかし、高裁は「一審の判決を順守する」とした。
現在、オンラインの「無印良品MUJIオフィシャルショップ」には、製品の商標が「影響を取り除くために」、関連商品から「無印良品」のデザインが取り除かれている。
中国本土では、良品計画のみならず、このデザインを模倣して「無印良品」の名を付ける小売業者が30近くある。
(編集・佐渡道世)
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