仏リヨンのサッカースタジアムで9月28日、リーグ・アン(1部リーグ)8日目、オリンピック・リヨン対FCナントの試合が行われた。リヨンのファンはスタンドで、チベットの旗の巨大な図柄を作ったり、旗を振ったりした。中国官製メディアの中継放送時間に合わせて、試合時間が不規則に変更されたことに対する抗議だという。
チベットの旗は、ゴール後ろのスタンドにいるリヨンのファンにより作られた。リーグ・アンはたいてい、夜8時ごろから始まるが、この日は昼1時30分に始まり、中国で夜7時30分に生中継された。10月の試合日程表によると、同月の後半の試合時間が未定となっている。
中国官製の放送局の中継のために、サッカーの試合時間を変更したのは、フランスのリーグだけではない。英国およびスペインでも同様にサッカーの試合時間の変更が行われている。
リヨンの公式サポーターサイトは声明で、チベットの旗を掲げたのは、共産党政権が支配する中国国営放送のために、フランスで人気の高いスポーツの試合時間が変更されることへの抗議だとした。「観客とサポーターたちが、選手たちを誰よりも尊敬していることを皆に考えてもらうため」という。すでに大勢のサッカーファンが試合時間の変更により、観戦が難しくなったとしている。
声明は、チベットの旗を掲げることで、フランスのスポーツ試合に影響を及ぼす中国政府および中国放送局を躊躇させることができるならば「喜んで繰り返す」と宣言している。
(編集・佐渡道世)