英シンクタンク、オックスフォード・エコノミクス(Oxford Economics)が発表した最新の研究報告書は、世界不動産市場の価格下落を警告した。各国の中でも、住宅価格がピークとなった中国が、一番最初に急落する恐れがあるとした。米メディア・マーケットウォッチが25日伝えた。
同報告書は、世界各国の住宅価格と住宅投資は落ち込み傾向にあり、2020年、全世界の国内総生産(GDP)成長率が過去10年間で最低水準の2.2%に下落するとの見通しを示した。不動産価格の下落で世界各地に与信危機が発生すれば、2020年の全世界の成長率は2%以下に下落する可能性も排除できないという。
報告書は中国で10年間続いた不動産バブルによって、不動産価格がピークを迎えたと指摘した。国際決済銀行(Bank of International Settlements、BIS)の統計によると、住宅購入のための家庭債務は6兆8000億ドル(約733兆円)に達した。個人債務(主に住宅担保ローン関連)はこの3年で70%増加した。中国での住宅投資は減速しており、新築住宅の建設件数も減少しているため、世界各国のなかで真っ先に中国が不動産価格の急落に見舞われるとの見方を示した。
中国紙・証券日報は6月14日、中国銀行保険監督管理委員会(銀保監会)トップの郭樹清主席が上海市で開催された経済フォーラムで演説を行い、不動産市場に言及したと報じた。郭氏は、「近年、一部の都市で家計部門債務が急速に拡大している。多くの家庭の負債率が厳しい水準に達した。さらに深刻なのは、新しく増えた貯蓄の半分が不動産セクターに投じられている」と強い懸念を示した。
また同紙16日付によると、中国の大手国有企業15社が5月1日から6月14日までに、不動産事業の売却を相次いで行った。
(翻訳編集・張哲)
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