中国ofo、40億円代金未払い 820万人への保証金返還滞る

2019/06/19
更新: 2019/06/19

中国のシェア自転車大手ofoは、自転車メーカーに対して2億5000万元(約40億円)の代金を支払っておらず、利用者820万人以上への保証金も返していないことが分かった。

中国紙・中国証券報など複数のメディアは17日、天津市高級人民法院(地裁)が発表した裁判文書を引用し、自転車メーカーの天津富士達電動車有限公司が、ofoの運営会社である東峡大通(北京)管理諮詢有限公司(以下、東峡大通)に対して、代金約2億5000万元の支払いを求めていると報道した。

地裁は、東峡大通は支払いに充てる「資産をもう保有していない」とした。同社は、不動産や土地使用権、対外投資、車両を持っていないうえ、銀行口座にある資金はすでに地裁に凍結されたという。

報道によると、北京、上海、厦門、杭州など各地で、東峡大通に代金支払いを求める訴訟が起こった。上海市高級人民法院(地裁)は、東峡大通の法定代表人、陳正江氏の出国を禁止した。ofo創業者の戴威氏などの上級幹部は、地裁の「失信被執行人(信用喪失被執行人)」リストに追加された。信用喪失被執行人に指定されると、航空券や高速鉄道の乗車券を購入できず、クレジットカードの使用や高級ホテルでの宿泊、銀行融資、住宅購入などができなくなる。

ofoの利用者への保証金返金も滞っている。保証金返還を求める利用者は順番待ちで、返金を待っている状態だ。ある利用者は中国メディアに対して、現在、自身は820万2695番目に並んでいると話した。

一部の中国メディアによると、保証金返還を求める利用者は1500万人いる。保証金が1人当たり199元(約3184円)(新規利用者)で計算すると、保証金規模が約30億元(約480億円)に達する。

ネットユーザーは「監督管理部門は何をしているのか」「ネズミ講だね。利用者が皆詐欺に遭った」「2.5億元の資金を回収できないのに、なぜ地裁は何もしないのか」と非難した。

(翻訳編集・張哲)