中国の家計債務の対国内総生産(GDP)比と対可処分所得比は、近年急上昇している。中国国内メディアはこのほど、中国の国民生活と社会経済の長期的な発展に「非常に不利だ」と中国経済への悪影響を警告した。
中国メディア「捜狐網」が12日に掲載した経済記事によると、1996年、中国の家計債務の対GDP比は3%未満であった。しかし、2008年に18%まで上昇し、2017年上半期に47.5%まで急騰した。
記事は、国内の住宅公積金(公的積立基金)ローンやインターネット上個人間金融、P2P金融などを計上すれば、家計債務の対GDP比は、2017年上半期にすでに53%を超えていたと指摘した。中国の家計債務の対GDP比は、この10年間で、類を見ないスピードで約20%から50%まで急騰した。「20%から50%の水準まで、米国が40年間かかったのに、中国はわずか10年間で到達した」
一方、記事によると、中国の銀行が行った統計では、各家庭の負債状況を示す家計債務の対可処分所得比は、2006年の18.3%から2017年の78.1%まで急拡大したと示された。しかし、他の種類の借金などを考えると、実際の家計債務対可処分所得比は「78.1%をはるかに上回る」という。
上海財経大学高等研究院が昨年8月に発表した調査報告書によれば、中国家計債務の対可処分所得比は2017年に107.2%に達した。
中国メディア「中国新聞網」昨年8月の報道によると、中央財経大学金融学院の郭田勇教授は、「高すぎる住宅価格」が、家計債務の対GDP比が急上昇した主因だとの見方を示した。
郭教授によると、家計債務対GDP比の国際危険水準は60%だ。
国家行政学院(中国共産党中央党校)研究員の胡敏氏は、「中国新聞網」に対して、家計債務の対GDP比が35%前後であれば、「バランスの取れた水準だ」との認識を示した。
捜狐網の記事は、中国国民の負債急増で、今後、個人消費の低迷、景気悪化が予想されるほか、国民生活や子どもが受ける教育の質も大きく低下する恐れがあると警鐘を鳴らした。
(翻訳編集・張哲)