中国当局による伝統気功グループ、法輪功への弾圧を伝える情報サイト「明慧網」は今年1月、2018年における中国国内の法輪功学習者の迫害状況をまとめた統計を発表した。
統計によると、2018年中国当局の警察・司法当局と法輪功弾圧の実行部門である「610弁公室」の指示の下で、中国全国で4848人の法輪功学習者が連行され、933人が不当判決を言い渡され、4217人が当局から嫌がらせを受け、170人が洗脳クラスに送られた。2050人の学習者が当局の家宅捜査を受け、51人が家族と離れて路上生活を余儀なくされた。また中国当局は、弾圧政策を始めた江沢民・元国家主席を告訴した32人の学習者を連行した。
拘束・嫌がらせ
当局に連行された4848人の学習者の出身地(省・直轄市)別でみると、最も多いのは山東省の1006人。2位から10位までは、遼寧省526人、吉林省490人、黒龍江省475人、河北省345人、四川省254人、湖北省231人、河南省174人、北京市と湖南省がぞれぞれ142人、天津市の116人だ。
嫌がらせを受けた4217人の学習者の出身地(省・直轄市)別では、河北省2201人が最多となった。2位から10位までは、山東省406人、四川省344人、黒龍江省169人、吉林省140人、北京市113人、遼寧省98人、湖南省88人、甘粛省と湖北省がそれぞれ77人、重慶市の68人。
弾圧は東北部と北部を中心に行われているのが浮き彫りになった。
いっぽう、91歳を含む65歳以上の年配学習者への拘束や嫌がらせが目立った。
2018年、65歳以上の学習者404人が身柄拘束された。そのうち、90歳1人、80歳62人、70~79歳255人、65~69歳は86人となっている。嫌がらせに遭った年配学習者のうち、90歳以上3人、80~89歳63人、70~79歳98人、65~69歳は16人。
今年1月時点では、不当連行された学習者のうち2434人は解放された。
2018年秋、中国各地で法輪功学習者を対象にした一斉拘束が起きた。10月12日、吉林省長春市では20人以上の学習者が拘束された。同市警察当局は現在も、一部の学習者を拘禁している。
同年11月9日、黒龍江省ハルビン市と大慶市では119人の学習者が、11月18日、山東省徳州市慶雲県では36人の学習者がそれぞれ拘束された。
同年10月末から11月末にかけて、陝西省宝鶏市でも26人以上の学習者が連行された。
拷問
2018年10月4日、寧夏回族自治区石嘴山市の2人の学習者は外出中に迫害の真相を市民に伝えたため、警官に拘束された。取り調べを拒否した2人は、13時間に及ぶ「老虎凳」(細長い腰掛けに両足を伸ばして座らせ、膝を縄で固く縛りつけてから、足首の下にレンガを積んでいく)という拷問を受けた。
四川省重慶市の譚昌蓉さんは2015年3月、街で人々に法輪功が受けた迫害を話したため、懲役3年の実刑判決を宣告され、重慶市女子刑務所に収容された。
2018年2月に釈放された譚さんは、9月2日に実名で刑務所で受けた拷問の実態を重慶市司法部門に告発したため、当局から報復された。10月15日、潼南区警察当局は譚さんを再び拘束し、同市江北区留置場に移送した。
2018年12月4日、天津市宝坻区の唐忠艶さんは同区の留置場に連行された。ここで唐さんは、無理やりに薬物が入った食べ物を注ぎ込まれたり、鉄の椅子に固定されてスタンガンで電気ショックを加えられたり、さまざまな拷問を受けた。唐さんの内臓は損傷を受け、身体は極度に衰弱状態に陥った。拘束中、警察当局は唐さんとその家族との面会を許さなかった。
黒龍江省ハルビン市双城区の李秀敏さん(49)は、2018年10月末に拘束され、精神病院で不明な薬物を注射され、半身不随になった後、同病院の関係者に病院入口の外に放置された。11月29日、李さんは息子に連れられて帰宅したが、薬物の影響でろれつが回らなくなり、不眠症にもなった。李さんは現在、病床で寝たきりになっている。
(翻訳編集・張哲)
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