<動画>中米の移民、柵を壊し投石も 国境警備隊は催涙弾放つ

2018/11/27
更新: 2018/11/27

米国の国境警備局は11月25日、メキシコ南部国境の一部を閉鎖した。大紀元は、フェンスを突破しようとして投石する移民たちを映像にとらえた。国境警備隊はガススプレーを噴射して退去を試みている。

国境警備隊によれば、サン・イシドロ港に続く道路と橋は封鎖された。この港湾は、メキシコのティファナと米カリフォルニア州のサンディエゴを結ぶ。

映像は、移民が強引にフェンスを壊し、いかなる狭い隙間からも入域しようとているのが分かる。一部の移民は警備隊へ投石している。警備隊は唐辛子スプレーと発煙弾で退去を試みている。

キャラバンに乗り込んだ移民は米国との国境に向かって運河を進んでいる。AP通信によると、警備隊は柵を破壊しようとした移民に対して催涙弾を放った。移民集団のなかにいた中米ホンジュラス出身者はAP通信の取材に対して、移民が金網の柵に穴を開けようとしために、催涙弾が放たれたと述べた。

数百人もの移民が国境の柵をよじ登り、破壊し、開かれた部分から入域を試みた。米サンディエゴのメディアによると、移民キャラバンの一部はホンジュラスの国旗を掲げ「私たちは犯罪者ではない、国際労働者だ」と主張したという。ロサンゼルス・タイムズによると、25日の騒動では、一人も移民は米国へ入域していないという。

11月25日メキシコ国境の街ティファナにある米国との国境に設けられた柵を破壊する人々。よじ登って違法に入域している (Pedro Pardo/AFP/Getty Images)

この数週間、メキシコを経由した移民キャラバンは、同国ティファナのスポーツスタジアム周辺に5000人以上が一時的に滞在していると報じられている。ティファナのファン・ガステルム市長は、市職員は移民の対処に苦慮しており、人道的危機に直面していると述べた。

大紀元の取材に応じた国境担当のメキシコ警察当局によると、26日には約2000人が米国側へ違法に入域しようとしたため、500人あまりを移送したという。

ティファナ警察は27日に記者会見を開き、一連の違法入域騒動で194人を逮捕したと発表した。国籍はホンジュラスが164人、グアテマラが16人、エルサルバドルが13人、ニカラグアが1人だという。

メキシコ国境の街ティファナ警察は27日に会見を開き、キャラバンで違法に入域しようとして逮捕した194人の国籍を発表した(Charlotte Cuthbertson/The Epoch Times)


トランプ米大統領は11月25日にSNSで、好ましくない移民キャラバンはメキシコ当局により停止させられるべきであると書いた。「メキシコが移民キャラバンを米南部国境に近づく前に停止させる、あるいは移民の出身国が集団移動を形作らせない。これが非常に賢い方法だろう。(問題のある)一部の人々は出身国から離れ米国で問題を起こしている。もうそんなことはさせない」

トランプ大統領のツイッターによると、退役した米陸軍准将で作家アンソニー・タタ氏が「トランプ大統領は有言実行の男だ。国境警備は厳格化すると言い、実行している。前例のない脅威に直面し、正しく国境を強化した。正しい動きだ」と述べたとして、大統領は謝意を示した。

メキシコ内務省は10月以来、国境に接近した1万1000人の中米の移民を退去させたという。そのうち1900人ほどはキャラバンを使い入域を試みた。内務省は声明で、違法に入域するという「暴力行為に関わった移民の個人を特定し、直ちに追放する」と述べた。また、破損したフェンスを修復するとしているが、軍隊の配置には言及していない。

内務省は声明で、主要なキャラバンには8247人いて、集団の9割はティファナやメヒカリに集中している。さらに数千人のキャラバンが米国国境に接近しているという。同省は移民たちに対して、労働や医療、教育などのメリットを受けられるメキシコの難民制度を申請するよう呼び掛けている。

(ジャック・フィリップス、シャルロット・カスバートソン/翻訳編集・佐渡道世)