中国のシェア自転車大手、ofo小黄車(以下、ofo 「オッフォ」)は10月末、資金難で経営再建の準備を始めた。同時期、ofoは日本市場から撤退する意向を示した。中国メディアが報じた。
中国紙・界面新聞は10月31日、ofoは経営再編に向けての準備に着手していると報じた。同紙は情報筋の話を引用し、ofoの負債総額は約65億元(約1063億円)にのぼると伝えた。そのうち、利用者に返還する保証金は36億5000万元(約597億円)。
また、中国メディア「財経」は4日、2日に中国のIT企業が集まる北京・中関村にある「理想国際大厦」ビルから荷物を続々と搬出する同社社員の様子を伝えた。新本社となるのは徒歩15分の距離にある「互聯網金融センター」内にあるという。新本社はこれまで、ofoの海外事業部と北京子会社だった。
また、中国国内インターネット上で、ofo社員と名乗るネットユーザーが10月31日、大規模なリストラが行われていると投稿した。社員数は昨年末の3400人から現在の1000人未満にまで減った。
今年に入ってから、過熱化した中国シェア自転車市場は急速に冷え込み始めた。ofoに関しても、従業員の賃金カット、リストラ、資金難、主要幹部の離職、巨額の負債などが伝えられた。
10月22日、ofoの運営会社「東峡大通(北京)管理諮詢有限公司」の法人代表は、ofo創業者の戴威氏から同社幹部の陳正江氏に変更された。
いっぽう、昨年8月に日本進出を果たし、今年4月滋賀県大津市や福岡県北九州市などでサービスを始めたofoは10月末、日本から撤退する方針を各関係者に伝えた。突然の撤退に、各地の関係者は戸惑っているという。
在米中国経済学者の秦鵬氏は4日、大紀元に対して、中国シェアリングエコノミー企業の成長戦略に、技術的な優位性がないことが最大のネックだとの見方を示した。
中国では過去3年間、シェア自転車企業が相次いで設立され、市場はバブル化し、業界競争も激しさを増していた。現在、すでに60社のシェア自動車会社が倒産した。各地政府は、山積みになった廃棄自転車の処分に頭を抱えている。
秦氏は、今後も中国国内のシェア自転車企業の淘汰が続き、「最終的に2、3社が生き残るだろう」と述べた。
(翻訳編集・張哲)
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