中国大手ECトップ、米国で性犯罪で起訴 過去にも暴行関与の噂

2018/09/03
更新: 2018/09/03

中国大手ECのJD.comを運営する京東(ジンドン)グループ創業者でCEOの劉強東氏は、最近、訪問先の米国で性犯罪の罪で起訴された。翌日には釈放されている。

ミネソタ州ヘネピン群司法当局の記録によると、同氏は8月31日23時に性犯罪で起訴されたが、翌9月1日16時には保釈金もなく、釈放されている。

京東の広報担当は、中国SNS微博の公式アカウントで「我々は微博のなかで劉強東氏についての何らかの噂が広がっていることについて懸念している」と声明を発信した。

劉強東氏、ヘネピン司法当局の公開記録(Hennepin County Sheriff’s Office) 

声明によると、劉強東氏は米国でのビジネスのなかで、「間違った告発」を受けており、現地警察による捜査の結果、劉氏には不正行為がなかったことが証明され、継続して訪米プログラムを続けるという。

また、同声明は「フェイクニュースや噂話に対して法的対処を検討する」と付け加えている。

ミネソタ州ミネアポリス警察の広報担当は、「まだ事件は捜査中。保釈金なしの釈放が、無罪か有罪を意味するものではない。詳細は明らかにできない」とコメントを発表した。いっぽう、劉氏に行動の制限はなく、中国に帰国することはできるという。

中国富豪・万達集団(ワンダグループ)CEO王健林の一人息子で同社幹部・王思聡氏は「お金では解決できないことだ。(関連)当局により明らかにされるだろう」とSNS微博でつぶやいた。

劉氏の妻は清華大学出身の女優・章澤天氏。2015年10月に結婚した。

劉強東氏は女性に対する暴行で以前も噂が立った人物。2015年、オーストラリアのシドニーにある劉氏の別邸で開かれたホームパーティーでは、ゲストを巻き込んだレイプ事件があったと現地紙が取り上げた。シドニー・モーニング・ヘラルドによると、高額報酬で招かれた女性モデルは、複数の男性に飲酒を強要され、中国籍の不動産デベロッパー、スー・ロンウェイから繰り返し性暴力を受けたと告発した。

この裁判は2018年7月に行なわれ、スー被告には7件の容疑で有罪判決が下った。劉氏は同件では告発を受けていないが、「会社と自身の婚姻関係に影響が出る」として、社名や名前を公表しないよう求めた。しかし、裁判所はこの訴えを拒否した。

JD.comは中国大手のオンライン小売サイト。食品、事務用品、生活用品、衣類など幅広く取り扱い、年間売り上げは15兆円と試算されている。無人機(ドローン)や無人配送車両を使い素早い配送を可能にした。

Googleはamazonに対抗できる企業として、JD.comをGoogleショッピングの連携企業に参加させ、6月には5億5000万ドルの投資計画を発表した。

(編集・佐渡道世)