日本とインド、軍事物流協定LEMOAに向け協議=インド紙

2018/08/24
更新: 2018/08/24

最近の小野寺防衛相の訪印で、日本とインドで軍事物流システムを相互運用する協定「ロジスティクス交換覚書(LEMOA)」の締結に向けた協議が始まったという。情報筋がインドのメディアに明かした。

LEMOAは米国とインドが2016年に締結しており、通信システムの相互運用、地理空間の協力、ハイエンド技術の売買・移転などが含まれる。

米印のLEMOAは軍事物流における合意だが、軍事同盟の性質もある。補給目的で指定の港湾や空港、軍事施設などにアクセスできるほか、軍事演習、人道支援、災害援助の基本分野をカバーする。

米印の協議内容によると石油、食糧、水、衣類、通信システム、医療の供給と補給のほか、予備部品や修理、メンテナンスのための港湾利用も含まれる。米軍艦がインド港湾を使用する協定であるため、中国側はインド洋の米軍進出を促進するとして警戒感を示している。

小野寺防衛相の訪印について知る情報筋が、インド紙タイムズオブインディアに明かした話によれば「私たちは(LEMOA締結のための)協議を始めている」と述べた。

日本とインドは2017年、7回の2国間あるいは多国間海軍訓練を行った。長年、インフラ投資など経済関係に焦点を当ててきた日印関係だが、今後は防衛と安全保障の関係が深化すると考えられている。

同紙は、インド太平洋地域において、日印が「中国の拡張主義と排他傾向を拒否する、自由で開かれたインド太平洋戦略を採用することで、両国間に大きな利益がもたらされる」と書いている。

海上自衛隊は8月21日、南シナ海とインド洋におけるアジア5カ国と米軍との共同軍事演習を8月26日から10月末まで行う。日本からは国内最大の空母級ヘリ搭載駆逐艦「かが」を含む3艦船が参加予定。

複数のメディアは日本政府関係者の話として、この海上自衛隊の参加する演習は安倍晋三首相の「自由で開かれたインド太平洋戦略」と一致している、との見方を伝えた。

(編集・佐渡道世)