在中日本大使館によると、4月下旬から5月初めにかけて日本人を含む外国人が中国での入国審査の際、指紋などの個人生体識別情報を採取する措置が中国で開始された。
外国人に対する指紋採取は、中国公安部が2017年2月に発表し、いくつかの空港で試験的に実施されてきた。このたび北京や上海など主要空港を含む全国すべての入国港(空港、海港、陸港)で開始されることになった。
対象は中国に入国する満14歳~満70歳。外交旅券所持者は対象外となるという。
中国は当局による超監視社会と言われる。共産党政権は個人の行動を監視するために、AIを駆使して指紋のほか声紋、顔、瞳の光彩、DNAなどのデータを収集し、監視している。
このたび、訪中外国人に対しても同様に当局による厳しい監視・管理ルールを適応させた。
収集した個人データは、「天網(スカイネット)」と呼ばれる個人情報バンクに集積されている。2017年12月、BBCの記者は実験として、警察当局に「天網」に登録するために自らの写真を提出し、「重要指名手配」として追跡させた。記者は「逃亡」を試みたが、わずか7分で居場所を特定されたという。
科技日報は、今年3月に開かれた全人代と政治協商会議で使用された監視カメラの能力は、顔認識データの取得、分析、比較はわずか約2秒だとした。
北京など一部都市の駅や空港、道路の検問所では、地元警察官が、個人情報認証システムを備えたAI機能付き「スマートメガネ」を身に着けている。
米ウォールストリート・ジャーナル2017年7月の報道によると、中国公共施設および個人所有の監視カメラの数は1億7600万台に上る。2020年には、監視用のカメラを4億5000万台まで増設するという。
大紀元の取材に応えた中国政治評論家・横河氏は、これまでの中国共産党政権はネット検閲や情報統制に1000億元(約1.7兆円)以上は費やしていると推計する。
(翻訳編集・佐渡道世)