中国当局は7日、張少春・前財政部(財務省)副部長(次官、60)に関して、「重大な規律違反」の疑いがあるとして、「規律審査と取り調べを行っている」と発表した。3月に新たに設置された共産党員・公務員汚職摘発機関、「中央規律国家監察委員会」の公式サイトが公表した。張氏は実質上、失脚となった。
経済学博士号を持つ張氏は、1988年から財政部で勤務した。94年~98年に、同部の弁公庁副主任、劉仲藜・財政部長(当時)の第一秘書となった。その後、教科文司長、部長補佐などを歴任した。06年から今年4月まで財政部の副部長を務めていた。財政部の古株として、張氏は筆頭副部長として、財務部長を全面的に補佐していた。4月に免職された。
16年、反腐敗運動を推進する習近平当局は財政部を調べた。当局は、同部幹部の腐敗問題が深刻で、習氏が主張する政治理念とかけ離れていると批判した。これらが、張氏が失脚した主因だとみられる。
反腐敗運動で、金融界の大物と財政部の高官が相次ぎ失脚した。同部の副部長王保安氏、保険監督管理委員会(保監会)主席の項俊波氏、保険大手の安邦集団の呉小暉会長らが腐敗で失権した。
一方、張氏は07年から、北京にある孔子学院本部理事会の副会長を担当している。海外で暗躍するスパイ機関、孔子学院に対して財政部が資金支援を行っているとみられる。
(翻訳編集・張哲)