中国共産党中央政治局は27日の会議で、第19期中央委員会第2回全体会議(2中全会)を来年1月に北京で開くと決定した。同会議ではおもに憲法改正案について協議する。改正案が通過すれば、中国共産党は1982年以降、5回目の憲法改正となる。
中国当局は、1998年の第15期中央委員会の2中全会以降は、5年に1度の同会議を2月下旬に開催することが多かった。今回は前倒しの開催となった。
また、これまでの2中全会の慣例として、3月の両会(全国人民代表大会と中国人民政治協商会議、全人代と全国政協)に提出される当局の政府主要人事案についても、協議していた。しかし、中国政府系メディアの報道では、今回はこの人事案について話し合う予定がないと示された。
来年3月の両会では、全人代と全国政協だけではなく、最高行政機関である国務院の主要人事が刷新される予定。
全人代では、国家主席、副主席を選出し、国務院総理、副総理、国務委員、中央銀行総裁などの人事が決定される。さらに、中央軍事委員会、最高人民法院と最高人民検察院のトップも選出する予定。
憲法改正は習近平氏が3期目の布石か
海外メディアは、中国当局が5回目の憲法改正で、国家主席の任期を修訂する可能性が高いと推測する。中国の現憲法では、国家主席の任期は、継続で2期まで、最長10年間と定められている。
独メディア・ドイチェベレ中国語電子版(27日付)は、当局の憲法改正はおもに4つの目的があると分析した。1つ目は、習近平国家主席の政治理念である『習思想』を現憲法に明記すること。2つ目は中国の主要な社会的対立に関して憲法に盛り込むこと。3つ目は、中国当局の国家監察委員会の設置について、法的根拠を追加すること。4つ目は、国家主席任期の改訂だ。
同報道は、中国歴史学者の章立凡氏の話を引用し、当局は来年3月の両会において、憲法の「国家主席任期は2期まで」との文言を削除する可能性がある、との見方を示した。
ブルームバーグは、1月の2中全会において、習氏が2022年以降の国家主席再任の可能性を模索するだろうと指摘した。
大紀元時事評論員の陳思敏氏は、党内の政治環境から、習近平氏が3期目の続投を追求せざるを得ないと分析した。
「過去5年間の反腐敗キャンペーンで、周永康や郭伯雄らなど党内江沢民派の重要人物を失脚させることに成功したが、核心人物である江沢民本人と江派ナンバー2の曽慶紅らはまだ健在だ。そのため、習氏が2期目で退任すると、残存する江派が捲土重来(けんどちょうらい・一度敗れたり失敗したりした者が再び勢いを盛り返して巻き返すこと)を図るだろう」。
(翻訳編集・張哲)
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