中国軍の最高指導機関、中央軍事委員会がこのほど陸・海・空・武装警官部隊の全軍に禁酒令を発動した。軍の風紀・規律の乱れを懸念する声が体制内部から強まっている。
軍が「史上もっとも厳しい」と自称する禁酒令は、勤務日や救援活動などあらゆる公務中の飲酒、軍部公共施設や職場での飲酒、定年・退役などあらゆる公私の行事を口実にした飲み会、宴会接待、酒の賄賂、暴酒など11の項目を厳禁する。
軍の元官僚、米国に移住した「紅二代」(中国共産党長老の子女)の羅宇氏は大紀元本部の取材で、「長年来根付いた軍部の飲酒文化は腐敗問題と同様、収拾がつかなくなっている。一部の話ではいまは覚せい剤までが蔓延している」と話した。
軍の酒文化を象徴する例はある。訪中のトランプ米大統領を歓迎する中国儀仗隊隊長の肥満体が最近、中国のインターネットで冷やかされている。
「こんなに太っている人が先頭に立つなんて、イメージ失墜だ」
「軍で長く服役したから、しょうがないね」
「他国の儀仗隊とは、あまりにもかけ離れている体型だ」
新疆ウイグル自治区の陸軍部隊は10月初旬、兵士のスマートフォンゲームの全面禁止を発表した。軍機関紙は、イヤホンをつけてゲームや音楽に夢中だった兵士が予告なしの軍事演習の警報に気づかなかったという現場の事例を報じた。
(報道・駱亜、翻訳編集・叶清)