中国当局、証監会前主席を厳罰 株価大暴落で空売りに関与か

2017/07/24
更新: 2017/07/24

中国共産党中央紀律検査委員会(中紀委)は20日、2015年11月に「厳重な規律違反」で取り調べを受けてきた姚剛・証券監督管理委員会(証監会)前副主席に対して、党籍のはく奪と公職の追放との処分を下した。香港メディアは過去、姚氏は15年夏の株価大暴落で、海外勢力と共謀して株式の空売りに関わったと報じた。

姚氏は証監会で長年企業の新規株式上場(IPO)の申請審査を担当するなど、大きな権限を握っていた。当局は同氏が関係者に巨額な資金の賄賂を受け取った見返りとして、便宜を図り、「資本市場の秩序と証券監督管理部門の政治環境を破壊した」などと批判した。

15年6月、中国株式市場で株価が大暴落。中国公安当局が同年7月、また中紀委の巡視組が10月に証監会に入り、暴落との関わりを捜査した。11月13日に姚氏の失脚が発表された。

香港メディア「鳳凰財経」は15年11月13日に、姚氏の失脚が発表される2週間前に、一部のメディアですでに「姚氏は、中国株式市場の空売りに関わった」との報道があった、と伝えた。

当時香港メディアは、証監会の高官らが、当局が市場支援策を打ち出した後も、香港やシンガポールで海外勢力と結託し、中国株式市場で空売りを続けたと報じられた。

これが原因とみられ、証監会主席補佐の張育軍氏は15年9月、副主席の姚氏は11月に相次ぎ失脚。姚氏の側近で証監会投資者保護局の李量・局長や発行監管部3処の劉書帆・処長など、多くの幹部も当局に連行された。

中国当局は、15年株価暴落について、党内江沢民派閥が習近平当局に対して起こした「経済クーデター」と位置付けた。当時、江沢民や曽慶紅らとその親族が株式の空売りに関与したとみられる。江勢力に掌握されていた証監会と、国有複合企業である中信集団傘下の中信証券が、市場救済を行わず、インサイダー情報で空売りを継続した。

一部のメディアでは、姚剛氏は14年に失脚した党中央統一戦線部長の令計画とその一族に近いと報じられた。

姚氏は証監会副主席の在任中、令計画の弟の令完成が会長を務める投資会社、匯金立方が出資した7社の企業のうちの6社に対して、深セン株式市場の創業板(新興企業向け市場)への上場を批准した。

習近平当局は近年、金融当局や金融関連企業への取り締まりを強化している。中国国内メディアの4月の報道によると、この4年間で60人以上の高官や企業の上級幹部が当局の取り調べを受けた。

(翻訳編集・張哲)