このほど外資系人材紹介会社ヘイズが、アジア5ヶ国・地域における1200職務の給与水準と、3000社(総従業員600万人超)に対して行った意識調査の中で、ワークライフバランスが「悪い」「非常に悪い」と回答した割合がアジア5カ国・地域において日本が最も高い事が明らかになった。
ヘイズの日本代表マーク・ブラジ氏は、「日本は慢性的な人手不足から長時間労働を余儀なくされているケースが後を絶ちません」「日本における人材不足はアジア・太平洋地域で最も深刻であることが明らかになっています。企業は海外からの人材獲得や非正規雇用などで人材不足を解消し、既存の従業員のワークライフバランスを改善する事が求められています」と指摘している。
また、ヘイズでアジアを統括するクリスティーン・ライト氏は、「日本の人材不足は世界最悪のレベルに達しており、解決までは時間を要します。比較的短期間でワークライフバランスを向上させる手段として、在宅勤務やフレックスタイムなどの制度を取り入れ、働き方改革を推進する事をお勧めします」と述べた。
内閣府は2007年から「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」を策定し、日本社会が人々の働き方に関する意識や環境が社会経済構造の変化に必ずしも適応しきれず、仕事と生活が両立しにくい現実に直面しているとの見方を示し、この問題に取り組んでいる。
男女共同参画局が3月に発表した、2016年の民間企業のワーク・ライフ・バランスの調査によると、就労率は全体的に上昇したが「労働時間など労使の話し合いの場を設けている」企業は55.4%にとどまり、年間の総労働時間は減少したが、年次有給休暇の取得率は50%前後と、2000年から横ばいの状態が続いている。
政府は今後も、ライフ・ワーク・バランス改善のため「数値目標を設定して達成と点検に取り組む」としている。
(編集・岳進)
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