中国四川省にある重慶江北国際空港では9日、無人航空機(ドローン、UAV)の違法飛行で約12便が着陸できず、周辺都市の空港に目的地を変更した。今年に入ってから、中国各地の空港では無人航空機による航空交通妨害事件が頻繁に起きており、大きな社会問題となっている。
地元紙「重慶晩報」(9日付)によると、同日正午12時49分頃、同空港の南側で以降に飛行している無人航空機が発見された。この影響で、飛行機の離着陸ができなくなり、上海や北京などからの12便が、隣の貴州省貴陽市や他の都市の空港に目的地を変更した。午後13時49分頃に離着陸が再開した。
また、一部の航空会社の発表によると、9日午後13時から14時の間に同空港からの10数便が欠航と遅延になった。
中国メディアによると、今年2月26日に重慶江北国際空港で同様な無人機の違法飛行が見つけられたほか、4月半ばから月末にかけて同省成都市双流空港で10件の無人機違法飛行が報告された。この影響で、100便以上が目的地変更や出発地への引き返しを迫られ、1万人以上の乗客が空港に足止めされた。
国内航空会社を管轄する中国民用航空局によると、2015年に無人機による妨害事件が4件、報告され、16年には23件に増えた。今年に入ってから四川省を含む中国西南部だけでも、すでに10数件起き、杭州や深センやハルピンなどの空港でも同様の事件があった。
国内メディアは、近年ドローンやラジコン機の使用者が増えているにもかかわらず、法的整備が追いついていないのが問題の主因だとしている。
(翻訳編集・張哲)