東京の代々木公園陸上競技場で4月30日、市民ランナー向けの陸上競技大会が開催され、1000人が参加した。世界選手権日本代表や箱根駅伝優勝メンバーが走りのペースを作る、市民ランナー向け競技大会「オトナのタイムトライアル」(OTT)は、今回で5回目。 公益財団法人日本陸上競技連盟が主催する。
行われた種目は、1500m3組、5000m14組、小学生対象の1000m1組。目標タイムによって男女混合の30~50人ほどの組に分けられていて、設定タイムによって各レース5人以上のペースメーカーがつく。
応援する人たちは3レーン目まで出て、ランナーのそばで声援をかけることができる。また、会場では音楽やかかり、MCがアナウンスするなどして、大会を盛り上げた。
ペースメイクするランナーは、8月に開催される世界選手権ロンドン大会男子50km競歩代表の小林快選手(ビックカメラ)や、実業団選手、早稲田大学や青山学院大学の箱根駅伝優勝メンバーなど実力者たち。
昨年の同大会にも参加した小林選手は、「市民ランナーはトラックを走る機会が少ないと思うので、(大会を通じて)誰でもトラックを使っていい、ということを感じてもらえれば」。近夏のロンドン大会に向けては、「声援を力に変えて、入賞そしてメダルということを目指しながら頑張っていきたいと思います」と述べた。
5000メートルを走った、陸上競技経験のある30代の女性は、「全然練習していなくて最後はきつかったのですが、皆さんの盛り上がりとこの雰囲気のおかげでなんとか走り切れました。活気あってとにかく楽しいですし、私でもトラックを走れるというのが一番の魅力」と主催者側のインタビューに答えた。
大会自体に魅力を感じてボランティアをしているという20代の男性は、「運営側も市民ランナーで、とにかく陸上大好きという方たち。市民ランナーの方に陸上を楽しんでもらうというコンセプトが好きですし、大会の盛り上がりも楽しい。少しでも協力できるならと思って参加しています。応援する人やランナーの距離が近くて一体感があるので、この大会に出たら走ることが絶対に好きになります」とコメントした。
(編集・甲斐 天海)