最近、あるインターネットユーザは、江西省の大学のキャンパスは度を越えた豪華さであることを明かした。その大学とみられる建物が映る写真には、紫禁城など歴代王朝の建築様式をまねた建造物が並んでいる。専門家は、革命のもとに中国の伝統を崩壊してきた共産党政権による文化教育には、真の文化理解はなく、表面的なものと指摘する。
微博ユーザ「SHI張進呢」は、建設中の華東交通大学理工学院の靖安キャンパスの写真を数枚、ネットに上げた。そこには、屋根に黄釉の瓦を頂いた赤い壁面の宮殿形式の建物、城壁、池などが映っている。
同大学の公式サイトによると、このキャンパスは「禅宗の聖地」と呼ばれる国定の自然景勝地・三爪崙の近くに建てられ、面積は約18.5平方メートル。学内のすべての建物は漢、唐、宋、元、明清、など歴代の建築形式にならったものと説明する。その目的は「学生たちの芸術の教養」のためだという。
総工費は10億元(約160億円)と国内メディアは伝えている。北京青年報の取材に答えた大学関係者によると、キャンパスは5月には学生を受け入れられる環境になる予定だという。
あまりの仰々しさから、ネットでは「資金の使い方を誤っている」と指摘する声が相次ぐ。「10億元出しても、バスケットやテニスのコートさえ作ってない」「学校なら資金を学術研究に投じるべきではないか」「映画の撮影ができそうだ」。
台湾輔仁大学の元講師で芸術家の闕寶如氏は「伝統文化財の見た目を利用するのは、今の中国社会の潮流。真の文化理解がなければ、その奥深さを伝えることができない」「共産党政権下の文化教育では、外形ばかり取り繕うものになる」と指摘した。
(翻訳編集・佐渡 道世)