世界経済の調査会社IHS Markitの調べによれば、「世界の工場」としての認識は、もはや過去のものとなりつつあるという。米CNBCが31日に伝えた。
IHSの経済専門家ポール・ロビンソン氏によると、2016年に初め、中国が低コストの製造の外注先であると回答した人は50%を下回った。 2012年の同調査では、70%だった。
長年にわたり、グローバル企業は、低労働コストである中国本土に製造業を任せてきた。しかし、中国の民間部門の給与は近年増加しており、コスト意識の高い企業にとって、その魅力は薄れている。
国際労働機関(ILO)によると、2006年以降、中国の平均賃金は2倍以上になった。 ILOは、2014年までに、中国本土の平均賃金は685ドルで、ベトナムは212ドル、フィリピンは216ドル、タイは408ドル。
しかし、海外の元請け企業は、コストが上昇する上海や周辺地域を避けて安価な地域に生産業を移行するよりも、コストが倍になったとしても中国の経験ある地域に継続して外注する傾向にあるとIHSの調査は示す。
調査の分析として、ロビンソン氏は「中国は単に安い外注先ではなく、世界的な供給チェーンの中心拠点(ハブ)として動くだろう」と述べた。
全体として外注製造業国は、中国、インド、メキシコが最も人気のある地域であると明らかになった。米国とヨーロッパは、この部門において、過去5年で最も低い数字を記録した。
(翻訳編集・佐渡 道世)
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