北京豪雨、故宮内に深刻な冠水なく 市民は600年前の排水技術に感心

2016/07/29
更新: 2016/07/29

7月20日に観測史上最大雨量を記録した中国の北京市は、豪雨の影響で市街地の多くが冠水した。しかし、600年以上の歴史ある故宮紫禁城)は水溜まりがあったものの、深刻な冠水はなかった。インターネット上には、昔の建築の排水技術の高さに感心したとの北京市民からのコメントが多く寄せられた。

国内メディアの報道によると、明の時代に建てられた故宮内には、皇帝やその妃たちなどが住んでいた各屋敷や中庭の排水システムは完備されている上、600年以上の長い間、絶えず補修を続けてきており、そのおかげで、その排水システムはいまだに良く機能しているという。故宮内の排水溝は四方八方に通じいるため、雨水は故宮を囲む内金水河(護城河または堀)を経由して、最終的に北京市の排水システムに流れていくようにと精密に計算されているという。

また故宮の全体構造は、北の基礎が高く、南が低く作られており、中央が高く、周辺が低く作られていることも、豪雨に見舞われても城内が冠水しない一因だと紹介された。

インターネット上では、昔の建築技術の高さに多くの北京市民が感心し、現在の排水技術の低さを嘆き政府の管理に疑問視したコメントが寄せられた。

「昨日故宮に行ったけど、あれほどの大雨なのに、故宮の中を歩いても冠水はそれほどなかった。でも故宮を出で、少し歩いただけで靴がすぐにびしょ濡れになった」、「昔の人は排水システムを重視し、それを作るのに良い材料を選ぶようにしていた。われわれの代になったら、洪水などの防災設備はめちゃくちゃで、利益のために何も顧みないようになったのか?」、「昔は手抜き工事をしたら、首をはねられた、だが、今やあちこちで手抜き工事をしている。人の心は悪くなったし、道徳も低下している。天災人災が絶えずに現れる。われわれは災難の中で苦しみをなめている」

 (翻訳編集・張哲)