国際通貨基金(IMF)は19日に発表した世界経済見通し(WEO)で、2016年と17年の世界経済成長率見通しについて、4月時点の見通しからそれぞれ0.1%引き下げ、16年は3.1%、17年は3.4%と下方修正した。理由として、6月のEU離脱をめぐる英国国民投票における想定外の結果による衝撃で、消費者や投資家の心理的不安が広がった上、「経済、政治、制度をめぐる不透明感の大幅な増大」などを挙げた。
IMFは、英国のEU離脱の影響で英国の経済成長率見通しについて、16年は0.2ポイント下方修正の1.7%、17年は約1ポイント引き下げて、1.3%とした。EU圏全体について、16年1~3月期の実際の成長率からみると、内需は依然として強いとした上、今後上方修正する方向だという。17年は0.2ポイント下方修正。
IMFは今後、英国とEUとの間で行われる離脱交渉が難航すれば、今年と来年の世界経済成長率は現在の3%台から、ともに2.8%台に減速するだろうと示した。
ドル高やエネルギーセクターの低迷などで、米国の今年の成長率見通しを0.2ポイント下方修正し、2.2%とした。
日本も円高や内需の低迷で、今年の見通しを0.2%ポイント下方修正して、0.3%とした。
IMFは、イタリアなど欧州の銀行システムリスク、中国の与信リスク、地政学的緊張、保護主義へのシフト、テロ攻撃などの要因で世界経済成長が見通しより一段と鈍化する可能性があるとの懸念を示した。
(翻訳編集・張哲)
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