「中国の臓器移植の件数は当局の発表より遥かに多い。臓器は主に強制摘出される受刑者のものだ」という内容の最新報告書が26日米ワシントンで発表された。摘出により死亡した受刑者の大多数は中国で禁止されている伝統気功・法輪功の愛好者で、ウイグル人、チベット人、キリスト教地下教会の信者なども含まれ、(江沢民体制から続いている)ジェノサイドの一環でもあるとされる。
「血まみれの摘出/屠殺(Bloody Harvest/Slaughter)」と題する約800ページの報告書は、臓器移植の実施が許可されている病院の数、収容可能な患者数及び当局の他の公開情報などを精査した結果、中国の臓器移植の実施件数は当局発表の1万件を遥かに超えていると記している。
共同作者の3人はカナダの人権派弁護士デービット・マタス氏、カナダ元外務省高官のデービット・キルガー氏、米中国問題専門家でジャーナリストのイーサン・ガットマン氏。
今回の報告書の発表に合わせてワシントンのナショナル・プレス・クラブで開かれた記者会見でマタス氏は、中国当局の発表の不透明性、医療機関による情報隠しなどにより、確かなデータを得るのが難しいとしながら、「我々の調べでは、(法輪功弾圧が続いている)この15年間に中国の臓器移植が急激に増え、年間6万~10万件で延べ100万件を超えている」と述べた。
マタス氏とキルガー氏は2006年から中国の臓器問題に関する共同調査をはじめた。ガットマン氏は14年「屠殺(Slaughter)」と題する本を出版するにあたって、5年間にわたり法輪功愛好者や、臓器移植に関わる医療関係者、警察当局の高官などから情報を収集したという。「屠殺」は、法輪功愛好者を対象とする大規模な臓器収奪が発生、政治犯も対象であると記している。
かなり前から浮上していた中国の死刑囚臓器利用疑惑について、一貫して「反華勢力によるデマだ」と否認を続けていた中国政府だが、急増する臓器移植のドナーの説明を迫られるなか、2005年ごろにはじめて認めた。2015年には「死刑囚の臓器利用を全面的に停止する」と宣言した。
一方、マタス氏ら3人は米国営放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)の取材に対し、「中国では臓器提供の志願者(ドナー)が非常に少ないため、受刑者(死刑囚)の臓器摘出はいまも続いている」とこの宣言は国際社会の批判をやめさせるための策略に過ぎないことを指摘した。
米下院議会で13日、法輪功愛好者を含む良心の囚人(思想や言論、信仰、人種などを理由に不当に逮捕された人)に対する臓器収奪を非難する「343号決議案」が全会一致で可決された。3人は23日同議会でこの臓器問題に関する証言陳述を行った。
(翻訳編集・叶子)
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