中国の著名人権派弁護士、高智晟氏は6月に新書を台湾で出版した。しかし、娘・耿格さんによると、出版発表後は高氏と連絡が取れなくなっていることを明かした。
高智晟氏は、新書『2017年、起来中国―酷刑下的維権律師高智晟自述(2017年、中国よ目を覚まして―酷刑を受けた人権派弁護士高智晟の述懐』を、娘の耿格さんに委託する形で発表。自身の受けた拷問体験や、共産党が2017年に崩壊するとの大胆な予測も書かれている。
メディアの注目と監督は迫害を抑制する作用があり
耿さんの話では、これまで高氏の兄の携帯に電話をかけて父親と連絡を取っていたが、17日朝に電話したところ、この携帯は使用できない状態だった。18日は通じたが、誰も電話に出なかった。
耿さんはメディアの注目と監督は迫害を抑制する作用があり、もっと中国の人権問題に関心を持って注目してほしいと訴えた。
もし再び父親と連絡できるようになったら、何を伝えたいかという質問に、耿さんは「ご自分で選んだ道をしっかり歩んでください。家族皆で応援しています」と答え、父親が自分の身にどんなことが起こるか十分承知し、家族も心の準備をしていると、一家全員の心情を伝えた。
「周永康が失脚する」という高智晟弁護士の予言が的中
耿さんは16日に台湾教授協会主催のフォーラムに参加し、高氏の新著の発表時期に、前中国共産党政法委・周永康の家族に有罪判決が下ったという話題に言及したため、対華援助教会の総裁・傅希秋氏は、高氏の著書に周永康にまつわる次のような記述があることを明らかにした。
「2011年に周永康の代理人が訪ねてきた。『高さん、こんな(ひどい)ところにいては、いつまで耐えられるかな』と問われ、『94歳までは生きられる。周永康に伝えてほしい。最後に笑うのは誰か。運が良ければ、周永康は刑務所の中で死ねるだろう』と答えた」という。
傅氏は、2017年に共産党政権が崩壊するかどうかはまだわからないが、周永康は失脚するとの高氏の予測は現実となったと述べた。
また獄中の高氏がどのような劣悪な環境に置かれていたかも語った。高氏が入れられたのは湿った地下室の独房で、冬季には布団が湿気を帯びて、絞ると水が滴るほどだったという。また数カ月間にわたり独房に閉じ込められ、共産党を賛美する宣伝音楽を24時間大音量で聴かされ続けたことも明らかにし、普通の人間なら一週間も正気を保っていられることは稀だろうと述べ、高氏の精神力の強さを強調した。
高弁護士は新著で「助けと救済を必要とする大勢の無実の中国人に支援を」と自由社会の人々に呼びかけている
法輪功人権弁護士グループのスポークスマン朱婉琪氏は、勇気をもって法輪功の弁護に務めていた高智晟弁護士が、一人の個人ではなく中国のすべての良心ある弁護士の代表であり、高弁護士が新著の中で暴露した共産党が人権弁護士に対する迫害もすべて惨い迫害を受けた中国人の苦難の記録である、と述べた。
「今日、高弁護士や法輪功学習者を迫害する恐ろしいことは、自分の身に起こらない保障があるのか」。高智晟弁護士が命を懸けて本を書いたのは、大勢の無実で良心的な中国人も同じように迫害で惨い拷問を受けたからだ。高弁護士は自分一人のためではなく、助けと救済を必要とする大勢の中国人に支援の手を伸ばしてほしいと自由社会のすべての人々に呼びかけている、と朱婉琪氏は強調した。
(翻訳編集・桜井信一/単馨)