中国広西チワン族自治区の玉林市政府は、同市で恒例の夏至に犬肉とライチを食べる「狗肉節(犬肉祭り)」で、人前で犬を殺すことを禁止すると発表した。この祭りは、犬を食肉処理のため焼死させたり、殴り殺したりするため、「残酷だ」と世界中で非難を受けていた。
国際社会の反発をうけて、人民代表大会の香港代表マイケル・ティン・パク・スン氏は3月、全国人民代表大会(全人代=国会)で中央政府に「犬肉を食べることは国際的な非難を引きつけており、対応を迫られている」と手紙を送っていた。
王林当局は衛生上の問題として、食肉業者が人前での犬の屠殺することを禁止した。「出来るだけ早くイベントを終わらせるよう努める」と答えている。過去の調査で、衛生家は「狗肉節」前後の、大規模に行われる無秩序な犬のと殺には、狂犬病を蔓延させるリスクが高まると指摘している。
今年の「狗肉節」は6月21日に開かれる予定。広西の主催者は、夏至に犬肉を食べることは600年続く伝統と主張している。毎年、この祭りにより1万匹以上の犬が食肉のため殺される。動物愛護団体によると、食用される犬のほとんどは迷子犬や盗まれた犬だという。
習慣化した「狗肉節」を非合法化することについて、マイケル代表は「非常に長いプロセスが必要だ」。また、中央政府の反応は「非合法化は多くの反発を受ける。しかし、動物虐待を禁止することに理由はないだろう」と、今後の全面禁止の可能性を示唆したという。
今月、「狗肉節」に反対する国際団体は、祭りの中止のために世界中からは1100万の署名を集めた。動物愛護団体Humane Society Internationalの中国専門家は、玉林政府の対応を「賞賛するが、具体的なアクションを見せてほしい」と発表した。
(翻訳編集・佐渡道代)
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