「音楽療法」の効果がこのたび、医学の最新研究で証明された。
英ロンドンで5月28日~30日に開かれた「2016年欧州麻酔科学会(Euroanaesthesia2016)」で発表された、パリのCochin大学病院(CochinUniversityHospital)の研究報告によると、音楽は患者が手術を受ける際の緊張と痛みを和らげることができる。
Cochin大学病院のGilles Guerrier博士は、62人の白内障患者を対象に実験を行った。半数の患者には、手術前に15分間16種の異なる楽曲から好きなものを選んで聴いてもらった。もう一方の患者には音楽を聴かせなかった。
研究の結果、音楽を聴かせた患者は鎮痛剤の使用量が少なく、術後の状態も良かったという。音楽には、患者の不安と痛みを和らげる効果があり、結果的に鎮痛剤の使用量減少にも繋がった。
過去にも示された音楽の治療効果
音楽療法の効果は近年、医学会で発表されている。2015年、米オハイオ州立大学ウェクスナー医療センターのクリスティーナ・チャールストン准教授は、音楽がてんかんの治療に役立つ可能性があると発表。てんかんの症例の約80%が側頭葉てんかん。チャールトン氏によると、音楽を聴けば患者の前頭葉と側頭葉で変化が見られ、発作を予防できる療法としての可能性があるとした。
2013年3月、米ジョージア州Exodus Health Centerのデビッド・ジョーカーズ博士によると、人間はコンサートで音楽を聴くと、脳内麻薬とも呼ばれる「エンドルフィン」が大脳から分泌され、多幸感をもたらす。
ジョーカーズ博士は、長年に渡る音楽療法の研究によって、音楽は特に神経性疾病の治療に効果的であると分かった。「拍子」は人間の神経機能を刺激して調整したり、スポーツの協調性を改善したりすることができる。パーキンソン病の治療をする際、音楽とダンスのステップ動作を用いて、患者の歩行速度とスポーツの協調性を高めることが多い。
(翻訳編集・山本アキ)
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