中国国家統計局が5月14日に発表したデータによると、4月の粗鋼生産量は前年同月比0.5%増の6942万トンで、1日当たりの生産量が過去最高水準の231万4000トンとなった。また1~4月までの生産総量は2億6140万トンに増加した。
粗鋼生産量増加の背景には、国内先物市場での鉄鋼価格急上昇と関係しているとみられる。中には異型コイル鉄筋の先物価格が昨年12月から4月まで約80%急上昇した。4月単月だけで30%上昇した。
鉄鋼価格を押し上げた最大の理由として、政府の不動産市場刺激策やインフラ設備建設の拡大と金融緩和策が挙げられる。これは、昨年末から中国政府が掲げた供給側改革の目玉の一つである鉄鋼業に対する過剰生産能力削減と逆行することになった。
当局は昨年末、すでに掲げた9000万トン以上の粗鋼生産能力削減目標を元に、2020年までに、さらに1億から1億5000万トンの生産能力を削減するとの方針を示した。しかし、莫大な赤字で生産停止中の工場が、この鉄鋼価格の上昇で生産を再開している。
鉄鋼情報サイト「中国聯合鋼鉄網」(Custeel)が4月末に行った調査によると、68の溶鉱炉が生産を再開し、今後約5000万トンの生産量が予想される。また中小鉄鋼生産企業の設備稼働率が1月の51%から58%に上昇。もう一つの鉄鋼情報サイト「私の鉄鉱網」(Mysteel)によると、大手鉄鋼生産企業の設備稼働率も84%から87%に上昇した。
(翻訳編集・張哲)