フィンランド在住の10歳の少年がフェイスブック傘下の写真共有サービス、インスタグラムのシステムにバグを発見し、報奨金1万ドル(約100万円)を手にした。少年はフェイスブックの脆弱性を発見した最年少の「ハッカー」となったが、実はまだインスタグラムのアカウントを作成できる最低年齢にも達していない。
CNNが5月3日に報じたところによると、バグを発見したのはフィンランドの首都、ヘルシンキ在住のジャニ君。同国のニュースサイトlltalehtiによると、彼はインスタグラムに、ユーザーのメッセージや画像を削除することができるというセキュリティ上の脆弱性を発見した。
ジャニ君はすでにフェイスブック側に対し、バグを発見した経緯とネットワークの脆弱性について報告を終えている。ジャニ君はこの脆弱性を利用してどのユーザーのメッセージも削除することができるという。
フェイスブック側も2月下旬にバグを修正済み。3月にジャニ君に対し報奨金を支払った。ジャニ君は報奨金で自転車とサッカーボールを買うつもりだと話している。
同ニュースサイトの報じたところによると、コンピュータに関する天才的な頭脳を持つジャニ君は、こうした知識をすべて独学で身につけたという。普段から双子の兄弟と一緒にyoutubeに公開されているコンピュータ専門家の教材などを通じてこうした技術を独学で学んでいる。サイバーセキュリティの仕事に就くことが夢だと話している。
フェイスブックは、2011年からバグの発見者に報奨金を出すことを始めており、これまでに各国の発見者800人以上に対し、総額430万米ドル(約4億6800万円)もの報奨金を支払ってきた。報奨金の金額は、バグの大きさや重要度によって異なるという。
ハイテク企業の多くは、セキュリティ上の脆弱性を指摘した人に対し報奨金を出し、バグの発見を奨励している。米国企業のウーバー・テクノロジーズが運営する、自動車配車ウェブサイトおよび配車アプリのウーバーは、このほどセキュリティの脆弱性が報告されるごとに1万米ドルの報奨金の支払いを始めた。また米最大手電話会社AT&Tの報奨金は100米ドルから5000米ドルで、グーグルでは100米ドルから2万米ドルだという。
(翻訳編集・桜井信一/単馨)
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