南昌鉄道ニセ入札、従業員が24億円だましとる

2016/05/12
更新: 2016/05/12

江西省の検察当局は、同省南昌鉄道局の公文書を偽造して建設計画の入札をでっちあげ、複数の企業からあわせて入札保証金1.3億元(約24億円)をだましとったとして、南昌鉄道局の従業員の女1人を詐欺容疑で起訴した。

中国国内メディア・澎湃新聞4月27日の報道によると、容疑者・祝晴雲は「南昌鉄道局の建設計画」とニセの入札募集公示を出して、2015年1月から10月までに市内10数の企業から入札保証金1.3億元を受け取っていた。この建設計画事態、架空のものだった。

警察によると、祝容疑者がだました企業へ渡した委託書や領収書39通の一部には、実際に南昌鉄道局が使用する印章が押されていた。そのため、だまされた企業などから、管理職でもない一従業員の祝容疑者が、鉄道局の公式の印章を使えていたことに、鉄道局の管理怠慢を批判する声があがった。

南昌鉄道局は澎湃新聞の取材に対して、祝容疑者がよく印章を持っていたことを知っているものの、「実際に捺印したのを見ていない」と述べた。

 1.3億元はどこへ?1人のみの犯行?浮かぶ疑問

1.3億元もの巨額は、回収が困難との見方が強い。祝容疑者の銀行口座には20万元(約360万円)しか入っておらず、1.3億元もの大金は30以上の個人の銀行口座に振り分けられていた。

澎湃新聞によると、30もの個人口座へ振り込まれた資金は「合法的」なもので、差し押さえることはできないという。この個人の名義は、容疑者の前夫や友人、容疑者宅の家政婦とその家族など。

検察は、この事件は祝容疑者1人の犯行と断定したが、国内メディアやインターネットでは、関連の犯罪グループがあるのではないかと疑問を投げかけている。

インターネットユーザは、南昌鉄道局の管理の怠慢と、大金の行方について口々につぶやかれた。「ただの従業員がこんなに大きな権利を使えていたなんて、管理部はなんて無能だ。事件とさわがれなければ皆不正な利益を得て、発覚後は個人の責任だと押し付けている」

「(鉄道局だけでなく)多くの業界にこのような問題があるはずだ。人民は監督されず、法律の制約がなく、道徳レベルは落ちて、金儲けを最も第一義としている。中国共産党の統治下では、このような中国人のイメージが根付いてしまった」

(翻訳編集・佐渡道代)