米国議会の公聴会で、中国で迫害を受ける法輪功の学習者が、強制収容施設での拷問や性的暴行について証言した。そのなかで、馬三家教養院の所長が、法輪功迫害は「硝煙のない戦争」と形容していたことを明かした。これは、莫大な国費を投じて法輪功の弾圧を徹底していたことを示唆する。
米国議会と行政府による「中国問題に関する連邦議会・行政府委員会(CECC)」は4月14日、連邦議会議事堂で「広範囲に及ぶ中国の拷問」に関する公聴会を開いた。遼寧省から米国に亡命した法輪功学習者の尹麗萍(イン・リーピン)さんは、中国の強制収容施設で行われている拷問や性的迫害について生々しく証言した。
馬三家の所長 法輪功の迫害は「硝煙のない戦争」
インさんは中国在住中に7回逮捕され、6回は暴行を受け瀕死の状態で家に戻された。また3回にわたって強制「労教」をさせられ、9カ月間の奴隷労働を強いられたこともある。
2000年9月、遼寧省馬三家教養院の蘇静所長が言い放った言葉に、インさんは戦慄した。「これは硝煙のない戦争だ。国が法輪功(撲滅)のために使用する経費は、戦争に匹敵する」。所長は、迫害は(共産党)上層部からの命令で、すべての法輪功学習者に法輪功の教えを放棄させるように、と強調したという。
インさんは公聴会で拷問や虐待の様子を撮影した写真を公開し、彼女自身が目撃した数々の拷問現場や、知人や友人が迫害で苦しみながら死に至るまでの様子を、涙を流しながら詳細に語った。
「生きて帰ることができたら、この非人道的な所業を世界中に知らしめると、仲間が約束した。もう語ることもできない彼女たちの代わりに、私は証言台に立っている」とインさんは述べた。
インさんの勇気を称えた米国議会
インさんは米国議会に、法輪功の迫害に関わった人物のリストを提出した。江沢民、薄熙来、王立軍、聞士震といった政府の上層幹部や、馬三家収容施設の警察や看守の名前が記されている。「迫害に関与したすべての人は責任を負って結果(制裁)を受け入れるべきだ」と力強く語った。
CECCの委員長を務め、中国の人権問題に対して強硬派として知られるクリス・スミス米下院議員(共和党)は、「彼女たちが残虐な迫害で命を奪われている。性的虐待行為を容認する中国指導者層への責任を追及しなければならない。逃亡中のナチス戦犯が追われ続けているように、虐待に関与した人物は白日の下にさらされるべきだ」と述べた。
憲法と市民司法小委員会(Subcommittee on the Constitution and Civil Justice))委員長のトレント・フランクス米下院議員(共和党)は、証言台に立ったインさん対し「自らの使命を全うされた。その努力は決して無駄にならない。証言したことでもたらされる結果は、神の知るところだ」
イリノイ州のランディ・ホルトグレン下院議員(共和党)は、インさんに質問した。「馬三家はいまだに運営しているか、中国当局はまだ法輪功学習者を迫害しているのか、施設の中で他の法輪功学習者が受けた拷問や虐待について他に知っていることはあるか」。
インさんは、4月初旬にも法輪功学習者が、江沢民を起訴したことで7年半の実刑判決を受けたことや、インさんの親戚が2014年に懲役3年の刑が下ったことを語った。他にも「私の知る大勢の学習者が馬三家に収監されて虐待を受けている」と証言した。
(翻訳編集・桜井信一/単馨)
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