海外商品の税収改正、1142品目が対象に、粉ミルクやおむつ事実上の値上げへ

2016/04/11
更新: 2016/04/11

4月7日夜、中国財政部、税関総署などの11の政府機関は合同で『クロスボーダー(越境)電子商小売輸入商品リスト』を発表した。リストアップされた商品は、3月24日に財政部などが公表した新たなクロスボーダー電子商取引小売輸入に関する税収政策の対象となる。中国の消費者はインターネットを通じて海外商品を購入する際に新たに消費税付加価値税を納付する必要がある。

財政部は同公式ウェブサイトにおいて、リストアップされた商品は約1142品目で、主に中国国内で一定の消費ニーズがあり、関連部門の監督管理条件を満たすものだと示した。また客観的にみて郵送や宅配などの方法で国内への輸入が可能な生活用品が中心で、一部の食品・飲料品、衣類・帽子・靴、家電製品と一部の化粧品、乳児用おむつ、こども向けおもちゃ、ステンレス製ボトルなどが含まれるとした。

財政部によると、リストされなかった商品は一般的貿易税収政策、あるいは行郵税(小包税)の対象として税金が徴収される。

8日に実施された新『クロスボーダー電子商取引小売輸入税収政策』で、個人消費者がインターネットで海外商品を買う際、1回の取引上限額は2000元、年間取引上限額を2万元と定めた。また上限額内の対象商品に対して、関税税率は暫く0%で、輸入にかかる消費税と付加価値税については、納付すべき税金の70%相当額を課するとした。

8日付国内「第一財経日報」は、新税収政策の実施に伴い、海外の食品、保健関連商品、マタニティ用品や粉ミルクや紙おむつなどベビー用品、生活日用品の関税税率が上昇するとの業界関係者の見解を示した。

また中国国内ネットユーザーは新税収政策によって海外商品が事実上の値上げになると指摘した。日本日用品メーカー花王のおむつでみると、税改正前1パックの販売価格では120元(約2004円)で、4パックを買うと480元(約8016円)、480元×10%行郵税率=48元(約801.6円)となり、50元以上との行郵税納付基準を下回るため、行郵税を納付する必要がなかった。しかし、新税収制度での税率計算では、1パックのおむつにつき、11.9%の付加価値税を納付しなければならない。120×4×11.9%=57.12元(約954円)の税金を納付する必要があるとの計算になる。

報道によると、国内クロスボーダー電子商取引企業の多くは、保税倉庫区で商品を大量に備蓄するなどの対策で、増えた課税コストをいかに消化するかを摸索している。また、海外でベビー用品などの買物代行を行う中国系住民は同政策の影響を今後見極めていく姿勢を示したという。

一部のネットユーザーは同税制改正で、安全で高品質な海外商品を買う際に徴税される事に対して批判している。「国内の食品は安全ではないのに、海外の品質がよくて安全な食品を買わせないのはなぜだ」、「品質の良い国産品だったら、海外のものを買う人がいなくなるよ」、「海外の情報を封鎖して、われわれ民衆が国内で洗脳を受けるようにしている。海外の高品質な商品を買わせないようにしている代わりに、毒のある物、品質の悪いものをわれわれに押し付けている。われわれを死に追いやるつもりだ」とのコメントを寄せた。

(翻訳編集・張哲)