中国大手ポータルサイト捜狐網(ソーフー)がこのほど、2年前に中国の永住権を取得した米国人一家の7カ月間にわたる悪戦苦闘の体験を紹介した。
「50万ドルの投資証明、非の打ちどころのない納税記録、企業評価などさまざまな資料を提出しました。(手続きのため)アメリカを3往復しましたし、半年の間、各関係部門を回って集めた承認印は100を超えました。全部で7カ月かかりましたが、やっと中国の永住権を取得することができました」。北京在住の米国人のボブさん(仮名)は、外国人永久居留証(中国版グリーンカード)を取得した時の様子を振り返って、感慨深げに語った。
中国の関連法律によれば、永住を希望する外国人は、中国の法律を守り、体が健康で、過去に犯罪歴がなく、その他に設けられた条件7つのうち1つを満たすだけで永住権を申請することができる。ボブさんも当初、中国の永住権を取得するのは簡単なことだと予想していたが、実際に始めたところ、手続きの煩雑さに頭を抱えたという。
「100以上の承認印が必要な訳が分かりますか? 例えば、『身体が健康であること』という取得条件を満たすために、かかりつけの医者に証明書を書いてもらうだけでは駄目なのです。さらに中国の保健所が指定する医療機関で検査を受けたうえで健康証明書を発行してもらいました。でもこれで終わりではなく、駐米中国大使館が認めるアメリカの医療機関で健康証明書を出してもらう必要があると言われ、家族でアメリカに一時帰国しなければならなかったのです。たった一揃いの証明書のために1~2週間を費やしましたね」
ボブさんを最も悩ませたのは、担当者であるはずの中国人職員に何を聞いてもまともな答えが返ってこず、各関係部門を散々たらい回しにされたことだったという。
それでもボブさんは、2014年3月に晴れて中国のグリーンカードを所有する数少ない外国人となった。大変なことはいろいろあったが、自分は本当に運が良かったと語っている。ドイツ大使館に勤務する彼の友人は、提出書類の不備を指摘され永住権を取得できるめどが立っていないという。
中国のグリーンカードは世界一取得が難しいとも言われている。中国在住の外国人総数は少なくとも83万4000人とされているが、中国当局の発表などによると、03年から13年までの10年間で永住権を取得した外国人はわずか7356人だという。
(翻訳編集・桜井信一)
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