強制的な土地収用が進む天津市天穆村で1月30日から2月1日までの3日連続、村役人の無法行為に抗議した村人が、武装警察につぎつぎと連行・逮捕された。村側が、抗議活動を続ける住民を強制的に鎮圧させた格好だ。
村の住人の訴えでは、村役人が職権を乱用して住民の住宅を強制的に解体したり、土地を無断で売却したりして、不正に利益を得ていたという。抗議活動を1年にも及ぶ。
先月30日、天津市天穆村の数百名の村人は、京津幹線道路沿いに「腐敗反対」「汚職役人を処分せよ」「住民の権利を守ろう」などの横断幕をかかげ、村役人の無法行為に陳情抗議を行なった。
まもなくして、千人以上の武装警察が村人を囲み次々に逮捕した。警察は二日連続で村を包囲し、村に通じる道路も封鎖し、多くの村人を「不法に」拘束した。30日だけで約20人の村人が不法に逮捕されたという。
村役人の不正行為に抗議するため、村の住民は委員会での話し合いを続けていた。これに対して、村役人は政府や土地開発の商人と結託して裏社会の「ならずもの」を雇い、話し合いに来た村人に殴る・蹴るなどの暴行を加えた。多くの村人が手足、肋骨を骨折するなど重症を負った。
抗議活動を続けていた住民の穆さんの話では、2013年12月、本人の承諾もないまま自宅は解体され、その後の補償も出なかった。
この一連の無法行為に対して、村人は陳情抗議し続けてきたが、現地政府は問題解決代わりに陳情抗議の情報を封鎖し、村人代表者の電話やインターネットを24時間監視した。
天穆村にはかつて約3000世帯を抱え人口は2万人を数えたが、2008年から地方政府の土地収用が始まり、村役人が住宅の強制解体や恐喝などの手段で、2000世帯が村から退去を余儀なくされた。現在は約600世帯しか残っていない。
(翻訳編集・山本アキ)
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