中国国家統計局が1月19日発表した最新統計データによると、2015年国内で売り残った分譲住宅床面積(空き家)は14年末と比べて9484万平方メートル増の7億1800万平方メートルと過去最高水準になった。中国当局は昨年、利下げ6回、預金準備率の引き下げ5回の実施などの刺激対策と住宅販売優遇政策で、過剰供給による住宅の在庫削減を図ってきたが、経済鈍化による需要低迷が主因で、住宅の在庫減少どころか逆に増えている事実が浮き彫りになった。
国民一人当たりの住宅面積を統計基準の35平方メートルで図ると、売り残った住宅は約2000万人の国民に提供できるとの計算になる。
国内経済紙「第一財経日報」(1月20日付)によると、不動産調査会社中原地産の張大偉チーフアナリストは国内分譲住宅の未販売床面積と住宅の未販売床面積がそれぞれ高水準に達したことは在庫削減が依然として一刻も猶予できない状況を反映していると指摘した。一部の大都市で、当局の刺激策で住宅販売がやや回復したが、しかし全国的に在庫はいっこうに減っていないため、住宅開発と設備投資は引き続き低迷するだろうと分析。
昨年12月中旬に開催された中国共産党中央政治局会議において、政府当局は「2016年に不動産業界の在庫削減を図るのに、農民工に対して都市部の市民権を与え、新市民を満足させられる住宅制度改革を推進する」との方針を打ち出した。また、各地方政府はこのほど開催する地方版の「両会」(人民代表大会と政治協商会議)においても、住宅在庫の削減、住宅販売の安定などを今年の不動産業界の最も重要な任務と位置付ける。
しかし、人口増加が緩やかで、不景気で収入が減少していることから、張大偉氏は需要低迷で「3、4線などの中小都市では当局の刺激政策の効果は期待できない」と指摘。また「1、2線大都市は中国不動産市場に占める割合が比較的に少ないため、中小都市部の在庫を解消しない限り、中国の不動産市場が経済をけん引することができなくなる」との認識を示した。
中国社会科学院財経戦略研究院がこのほど発表した調査報告書によると、2015年分譲住宅の過剰総在庫は21億平方メートルに達しており、建設完成済の分譲住宅の在庫を解消するだけでも約2年かかるという。
(翻訳編集・張哲)