異常なしの旅客機に消火剤 エンジン損傷=福建省の空港

2015/12/16
更新: 2015/12/16

中国福建省の空港で10日、「旅客機のエンジンから火花が出た」と通報を受けて駆けつけた消防隊が、あやまって同型の別の旅客機に消火剤をかけるという珍事が起きた。これにより異常のなかった航空機は離陸できず、エンジン交換という大きな損失を被った。

同省福州長楽国際空港で10日朝、北京行きの中国国際航空CA1822便は、滑走路で離陸準備中、エンジンから火花が発生。後続の福州航空FU6577便の操縦士が気づき、CA1822便と管制塔に連絡した。

まもなく消防隊が到着した。しかし「消防隊は、何か勘違いして異常のない福州航空の旅客機に消火剤をかけた」と目撃者はミニブログなどで明かした。2分後、救援活動は火花が出たCA1822便に移ったが、FU6577便は泡状の消火剤に覆われて真っ白に。

FU6577便は搭乗口にけん引されて戻り、乗客が降車。エンジン洗浄や機体点検などの作業が行われた。国内メディアは、同便の両方のエンジンは損傷し、交換しなければならないと伝えた。専門家によると、ボーイング737-800型の標準エンジン1台は約1000万ドル(約12億円)。

消火騒ぎを受け同空港では約30便の運航に遅れが出た。

福州航空の公式説明によると、2機とも米ボーイング社製の737-800型機。消防隊は到着時、CA1822便は既にエンジンが切られ「異常はない」と誤認。隣のFU6577便は機体後部から熱気の排出が確認されたため、「降温処置」のため消火剤をかけたという。

(翻訳編集・山本アキ)

関連特集: