中国人民銀行(中央銀行)は、毎日朝発表する人民元の対ドル為替レートである人民元基準値を今週5日間連続で引き下げている。ブルームバーグは中国人民銀行が人民元の下落(元安)を容認し、今後対ドルで元がさらに下落する見通しを示した。
ブルームバーグ(10日付)によると、12月4日に人民元のオンショア市場で人民元が1ドル=6.4元台に下落後、今週に入ってから人民元のオンショア市場スポットレート終値は毎日、その日の基準値より約100ベーシスポイントのドル高・元安になっている。
7日と8日に発表された人民元基準値はそれぞれ1ドル=6.3985元、と1ドル=6.4078に対して、7日と8日の人民元のスポットレート終値はそれぞれ1ドルに対して、6.4082元と6.4172元になった。9日の基準値が1ドル=6.4140元に対して、スポットレート終値は6.4280元と元安になった。報道によると、市場関係者は、中国国有大手銀行が上海外為市場で連日ほぼドル買い・元売りに集中していると話した。
人民元基準値は中国政府当局が人民元を管理する上での政策意思を反映する「官製レート」と認識されている。当局は毎日人民元の変動幅を基準値の上下2%と制定している。
ブルームバーグは今週に入ってから、当局が毎日人民元基準値を約100ベーシスポイントのドル高・元安に動かせたことと大手国有銀行がドル買いに集中したことで、中国政府当局がさらなる人民元安を容認する方針を反映していると分析。また、12月16日米国連邦準備制度理事会(FRB、中央銀行)の利上げ実施がほぼ確実との市場観測から、中国人民銀行が元安圧力を早めに解消する狙いもあったとの専門家の見解を報じた。
中国人民銀行は11日、人民元の対ドル基準値を1ドル=6.4358元と2011年8月5日以来の安値水準に設定した。10日の基準値は1ドル=6.4236元だった。
(翻訳編集・張哲)