ドキュメンタリー映画「人狩り」 英国際放送協会最優秀賞

2015/11/06
更新: 2015/11/06

中国での受刑者に対する組織的臓器収奪疑惑の調査を収録したドキュメンタリー映画「人狩り(Human Harvest)」が、4日夜にロンドンで開かれたAIB(国際放送協会)国際メディア コンクールで、国際調査ドキュメンタリー部門の最優秀賞を受賞した。

中国系カナダ人である李雲翔・監督は2006年から中国の臓器問題を追跡してきたという。同作品は、中国で臓器移植を受けた外国からの患者、元受刑者や元警察官などの証言のほか、カナダの元アジア太平洋地区担当大臣デービット・キルガー氏と人権弁護士デービット・マタス氏が率いるカナダ独立調査団の一部調査を収録している。

受賞後、大紀元の取材に応じた李・監督は「作品を通して、臓器をめぐる中国の国家犯罪の真実を国際社会にもっと知ってもらいたい」と心情を語った。

AIB国際メディアコンクールは世界的権威のある賞で、NHKの複数の番組も受賞したことがある。今年度は「人狩り」のほか、BBC、アルジャジーラテレビ局、英スカイ・ニュースなどの5作品が各部門の最優秀賞を獲得した。

中国の臓器問題の闇は非常に深いとみられる。

これまでの国内の医療関係者や警察官など各方面の情報によると、1970年代ごろから死刑囚や、政治犯などの「良心の囚人」の臓器を移植用に使うことが「日常的に行われている」。中国政府は一貫して完全否認していたが、2005年ごろから死刑囚の臓器利用を渋々認めた。

一方、1999年7月から中国で禁止され集団弾圧を受けている伝統気功・法輪功は、「迫害開始直後から臓器移植件数が急激に増えている理由は、強制収容された大勢の愛好者が臓器狩りの対象にされたからだ。刑務所、病院、司法の関係者は暴利を貪るため組織ぐるみで愛好者を殺してきた」と主張している。前出のカナダ人独立調査員2人は、法輪功の迫害実態を調べる米人権団体「追査国際」の要請を受けて、2006年から関連の調査に着手し、「紛れもない事実である」との結論の報告書を発表した。

「人狩り」は今年4月、米国放送界の最高栄誉賞であるピーボディ賞を受賞したばかり。

(翻訳編集・叶子)