上海市近郊の公園で10月31日、第七回結婚・恋愛博覧会が催された。上海市が主催するこの大型婚活イベントに、約2000人の親が子女の代理人として参加。中国ニュース・サイト「澎湃新聞網」がその熱気あふれる現場を報道した。
主催者の発表によると、参加者は約1万人。そのうち2000人は未来の婿・嫁を物色する親だという。婚活者の内訳は、男性46.6%、女性53.4%で、男女ともに最年少は22歳。大学・専門学校卒以上が全体の97.5%を占め、そのうち、専門学校卒が15.8%、大卒が60.4%、修士・博士課程修了者が21.3%と、高学歴の参加者が大半を占めている。
現場で最も精力的に動いているのは、白髪交じりの親たちだ。苦心惨憺して資料を登録し、理想の相手を血眼になって探す。一方、独身男女の相当数が両親に無理やり連れてこられたという。会場入り口の通路両脇には、傘や脚立を使ってわが子の紹介文を掲げている親の姿も見られた。
黄娟さんの46歳の息子と42歳の娘はともに修士号を取得し、一流企業に務めているエリートだが、2人とも独身である。黄さん夫婦はそれぞれが三脚を立てて、2人のアピール資料を掲示した。そのまわりには、同じような親がいっぱいいた。
黄さんの息子にはもともと結婚相手がいたのだが、相手から40万元(約760万円)のダイヤの指輪を求められ、さらに3部屋2リビングの新居では満足できないという理由で、破談になったという。
その横で娘の資料を公開しているのはもうすぐ70歳を迎える徐華さん。37歳になる娘の結婚のチャンスが、年々少なくなっていると感じている。「1976年から82年生まれの女の子が結婚相手を見つけるのは難しいですよ。この年代は男の子の数が少なすぎます」と徐さんはため息をもらした。
上海市内中心部の「人民公園」では、十数年前から「婚活コーナー」が存在している。今回のイベントに参加した親のうち、このコーナーの常連だと名乗り出る人は何人もいた。
徐さんもその中の1人。彼女曰く、親たちはみな、相手の学歴や容姿などにこだわるという。「まるでビジネス商談みたいです」。そう思いながらも「ほかに良い方法がないから」と公園に足を向けるのをやめようとはしない。娘のためにと長年続けてきた婚活に疲れ切っている様子だ。
娘に内緒で婚活イベントに参加し、将来の婿を物色する親にも出会った。2015年初めにはじめて人民公園に足を運んだ傅麗さん。手提げカバンには娘の紹介文が掛けられている。ふさわしい相手を見つけることができたら、娘には職場の同僚から紹介されたと言うつもりだ。
1人の親は「名物仲人」杜さんの手を掴んで離さない。36歳の娘に結婚相手をと切望するこの親に、杜さんは「手元には2人の適齢の男性の資料しかない」と困り果てていた。その話によると、イベントに参加する30代の未婚者のうち、男性は圧倒的に少ないという。
(翻訳・桜井信一、編集・叶子)
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