中国政府系シンクタンクの中国社会科学院のエコノミストで、前中国人民銀行(中央銀行)金融政策委員会委員の余永定氏は、米国ピーターソン国際経済研究所で中国金融改革について講演を行った際、このほどの人民元切り下げに触れた。また、中国政府当局に対して、経済改革を加速させるには人民元の為替相場に金融市場の実勢を反映させ、対ドルの為替レートを自由に変動させるべきだと述べた。2日にVOAが報じた。
講演参加者から「中国政府当局が人民元の為替相場へのコントロールを完全に解除すれば、対ドルでは人民元がどのくらい下落するか」との質問に対して、余氏は「市場実勢を反映できれば、対ドルの人民元為替相場の下落は長続きしないと予想するが、約10~20%の下落と考えている」と答えた。しかし一方、対ドルで人民元の為替相場が25%下落すれば、中国当局が介入しなければ、巨額な資金が流出し、これによって中国経済が大きな打撃を受けるに違いないとの見解を示した。
人民元改革のタイミングについて、余氏は「政府が人民元の為替相場への介入を停止するベストタイミングを決めるのは難しい。これは実に十数年前、あるいは20年前にすべきことだ。早ければ早いほうがよいだろう」と述べた。
(翻訳編集・張哲)
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