アッアップル社が提供するアプリ市場で、ウイルス感染したアプリが公開されていたことが明らかになった。中国の簡易投稿サービス「微信(ウィーチャット、WeChat)」など、数億人の利用者を抱える人気アプリで、個人情報を抜き取るなど悪意あるソフトが発見された。
アップルによると、感染したアプリは39以上で、3千以上にのぼるとの調査もある。大半は中国発のアプリだ。冒頭の「微信」や、簡易投稿サービス「微博(ウェイボ、weibo)」、乗車仲介の中国最大手「滴滴快的」などの人気サービスも含まれる。中国国内メディアは、感染アプリはゲームや音楽など幅広い分野にわたり、約350種類だと報じた。
ウィルスに感染したアプリは、ユーザーのデータを盗用して特定のサーバーに送信する「マルウェア」が仕組まれていた可能性がある。
今回の件は、アップル社の開発用ツール「Xcode」に、中国製の模造版が出まわり、それにウイルスが仕込まれたことが感染拡大の原因とみられている。アップルは通常、「Xcode」を自社アプリ市場で無料配布している。しかし、最近は中国国内で偽造版が流通していた。
背景には、中国のネット事情がある。国内インターネットは、外国情報の流入を防ぎたい政府により、情報封鎖の「壁」(ファイアーウォール)が立てられている。国外サーバーであるアップルストアからのダウンロードは長い時間がかかるため、いらだつ開発者が「ダウンロード速度が速い」と謳っていた偽造版「Xcode」を入手した。
アップルは、削除対象となったアプリはすぐに使用を止め、使用端末から削除するよう呼びかけている。
(翻訳編集・叶子/佐渡 道世)
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