中国の宇宙戦略について、米国は、新たな脅威として警戒している。米国宇宙司令部と空軍の上位高官は警告を始めた。
空軍中将ジェイ・レイモンド氏は4月にコロラド州で開かれた宇宙シンポジウムで、2014年7月に中国が行なった対衛星ミサイルのテストに触れ、「軌道上のすべての衛星が危険にさらされている」と発言した。
米国陸軍士官学校戦略研究所の非常勤教授ロバート・J・バンカー氏は、大紀元のメールインタビューで、「中国が開発を進める対衛星兵器は、国際宇宙関係に挑発的で、非常に破壊的だ」と答えた。
バンカー氏は、宇宙戦への中国の関心が、サイバー戦に対するものと非常に類似しているとし、ともに「技術的に優れた米軍に対して、利用できる」と警告した。
5月上旬、米国防総省は中国軍と安保開発に関する年次レポートを発表した。そこには「中国は、世界で最も早く成熟している宇宙計画をもっている」と断言した。また「破壊的な宇宙工学の継続的な発展」は「平和的な宇宙飛行を望むすべての国に対する脅威」と位置づけた。
このレポート発表から一カ月後、軍・偵察衛星の指揮をまとめる司令部を作るというニュースが報じられた。米国防総省は「中国とロシアからの攻撃を回避するために、司令部創設は『急務』」と6月23日、公式に伝えた。
ロシアの動き
ロシアもまた、米国に似た動きを見せている。セルゲイ・ショイグ国防相は8月3日、航空宇宙軍の創設を発表した。ここは、空軍・宇宙防衛部(モスクワ・タイムズによると、2011年に創設)で統一した指揮を執るとされる。
同紙によると、ロシアがこの宇宙部隊を充実させる背景には、同国と米国、中国が「新しい防衛戦略に不可欠な、対衛星兵器の開発に取り組んでいる。それは、宇宙戦争を引き起こす可能性を持つ」と加えた。
(翻訳編集・佐渡 道世)