【大紀元日本7月8日】3週間も大幅下落が続く中国株式市場で、下落を食い止めるため中国各方面がさまざまな対応策を打ち出しているが効果がない。こうした中、4日、中国主要証券会社21社が上海の株式市場を下支えするためとして、合計1200億元(約2.4兆円)をETF(上場投資信託)に投資するという異例の対策を発表した。
過去3週間において、中国経済・金融の中心である上海の総合株価指数は30%暴落。また、中国株式相場は時価総額3兆2000億ドル(約392兆円)を失った。
株価の暴落は中国の経済と政治情勢にダメージを及ぼすという見方が多く、中国政府が非常に神経質になっているようだ。
中国証券監督管理委員会(証監会)など各方面は過去1週間において、利下げや信用取引規定の緩和、取引コスト引き下げなどの措置を次々と実施したが、効果がみられない。
前出の主要証券会社21社はさらに「上海総合株価指数が(4月下旬の史上最高値)4500を回復するまで、持ち株を売却せず、さらに株を購入する」と表明した。同日、公募債運営会社24社も共同で「株購入用の資金枠を拡大する」と発表した。
証監会は2日、「悪意のある空売りは相場急落に拍車を掛けている」と空売りを調査すると発表、相場下落の犯人捜しを始めている。中国国内メディアの報道によると、ネット上で、株の下落により北京金融街で飛び降り自殺者がでたとの情報を発信した男性は「デマを流した」として警察に勾留された。
北京にある長江商学院の滕斌聖副院長は米メディア「ブルームバーグ」の取材に対し、「中国当局の対応策は明らかに間違っている。中国株式相場は既に世界で最も操作された状態にあり、投資家に売りをやめさせることはできない」との見方を示した。
上海の株式市場では去年後半から株価の上昇傾向が続き、総合株価指数は7年5カ月ぶりの高騰となったが、6月中旬から一転して値下がりに転じた。