中国海軍機、バシー海峡通過で遠洋訓練へ 台湾とフィリピンが警戒

2015/06/11
更新: 2015/06/11

【大紀元日本6月11日】海軍航空隊の各種航空機が10日午前、台湾とフィリピン間にあるバシー海峡から西太平洋海域に入り訓練を行ったことがわかった。台湾防衛省は中国軍の動向に監視強化を継続すると声明を発表した。台湾の国営通信社「中央社」などが報じた。

中国海軍の公式ミニブログは同日、これらの海軍機がバシー海峡を通過し、同海域で海軍の遠洋巡航艦隊と協同訓練を行ったと発表した。

それに対し、台湾防衛省の羅紹報道官は同日夜、中国軍による訓練は今回が初めてではないため、「台湾軍部は情報を掌握し、同範囲内での監視強化を継続している」と強調した。

同海峡の上空には、台湾とフィリピンの防空識別圏(ADIZ)が隣接しており、いったん中国軍機が通過すると、台比双方の軍部が警戒態勢に入るとみられる。

中国海軍の公式発表によると、2012年以来、中国海軍は何度も艦隊を西太平洋海域での遠洋訓練に派遣しており、東シナ海で遠洋訓練を常態化させたことを明らかにした。昨年12月、中国海軍は戦闘艦18隻と航空機21機を動員し、西太平洋海域で東海、南海、北海の3艦隊による合同演習を実施した。

中国軍機はこれまで、日本と台湾の間の宮古海峡を通っていたが、尖閣諸島をめぐっての日中関係に緊張が高まる挑発行為とされていた。今年初めから、中国海軍はルートをバシー海峡に変えた。これは台湾とフィリピンの国防と安全保障に多大な圧力をかけているとみられる。

(翻訳編集・王君宜)