【大紀元日本1月22日】中国統計局が20日に発表した2014年国内総生産(GDP)は、成長率が7.4%で、24年ぶりの低水準となった。同じ日に国際通貨基金(IMF)は15年のGDP成長率について昨年10月に予測した7.1%から6.8%に引き下げた。IMFは、当局は信用取引と投資の急拡大に強く警戒し、経済成長のけん引力を不動産と投資から消費に移すだろうと分析。そのため不動産市場および投資における調整が今後数年続き、経済成長率は低水準で維持すると示した。
中国の李克強首相は21日、スイスのダボスで開催された世界経済フォーラム年次総会の開幕式で演説を行い、「2015年の中国経済は依然として比較的に大きな下向き圧力に直面する」と話し、大規模な景気刺激策の実施を否定したうえ、引き続き構造改革を進め、穏健な金融政策を実施する方針と表明した。
しかし、当局がどれほどの速さで構造改革を進めるのかは不明だ。米シンクタンクアメリカンエンタープライズ研究所(American Enterprise Institute、AEI)の中国経済専門家デレク・シザーズ氏(Derek Scissors)はヴォイス・オフ・アメリカ(VOA)の取材に対して、「李克強首相はこれまで数回にわたって構造改革を進めるには壮士が腕を絶つ勇気がなければならないと口にしたが、いまだにその真の勇気と本気度を目にしたことがない」と指摘した。
シザーズ氏は当局が労働力市場改革や土地改革、民営銀行の金融市場への参入をまず加速させなければならないとした。現在、戸籍改革などの政策実施や一部民営銀行に対して営業許可を発行したが、改革のペースが非常に遅いという。また国営企業改革において「国営企業への民間資本参入を奨励しているのは根本的に間違っている。国営企業の競争力を強めることこそ正しい道だ」との認識を示した。
習近平政権が国内反腐敗キャンペーンを行っているのは、経済構造改革を進めるのに、まず改革に反対する既得利益集団からの障害を一掃するためだとの一部の推測に対して、シザーズは疑問視している。移動自由で労働力解放が得られるなど、既得利益集団と関係しない改革をなぜ前進させないのかが不可解だと示した。また、マネーサプライ過剰供給やデフレ圧力の高まりと問題山積みの中国経済の先行きについて「政策面において全力で改革しなければ、15年も引き続き停滞に向かう」との考えを示した。