【大紀元日本12月16日】内モンゴル自治区最高人民法院(高裁)は15日、強姦殺人罪で死刑を言い渡され18年前に処刑された同自治区出身の男性(当時18歳)に対して、再審で「無罪」を言い渡した。同院の副院長は両親に対して謝罪したが、市民の間では当事者の法的責任を追及する声が高まっている。
1996年4月9日に起きたフフホト市の女性強姦殺害事件で、捜査当局は通報者の男性を犯人と断定した。男性は事件発生61日後、有力な証拠がないまま死刑の判決を受け処刑された。
9年後の2005年、別の殺人事件で逮捕された男が1996年の殺人についても犯行を認めた。しかし、当局は再審理を行わなかった。
男性の両親は長年、息子の無実を訴え、関連当局に陳情を続けたが、取り合ってもらえなかった。一方、捜査に当たった警察官数人は「重大犯罪を迅速に解決した」として表彰された。
北京在住の弁護士は米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)の取材で中国の捜査事情について、「捜査現場では拷問による自白強要が日常茶飯事。一方、裁判所は証拠よりも犯人の自供を重視する。その結果、多くの冤罪を生み出している」と語った。男性も同様に取り調べ中、拷問を受け犯行を自供したという。
中国では判決確定後の再審は極めて異例だ。中国国内でも話題となり、謝罪だけでは不十分で、当時の捜査関係者と裁判官の法的責任を求める声が強まっている。
「そうしなければ、法律は空文になる」
(翻訳編集・叶子)
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