【大紀元日本10月9日】中国当局による外資企業への独占禁止法に係る調査の不透明さについて、在中国ドイツ大使は最近、苦言を呈した。中国の李克強首相の欧州周遊し、ドイツ・メルケル首相との会談は9日にベルリンで行われる。
マイケル・クラウス在中国ドイツ大使は、サウスチャイナ・モーニング・ポスト(英字版)9日付けで「もし外国企業を中国へ引き付けたいならば、独占禁止に関する調査を透明化するべきだ」との考えを示した。
中国の李克強首相は9~17日にドイツとロシア、イタリアの3カ国を訪問し、各国首相と会談する。またイタリアではミラノで16~17日に開くアジア欧州会議(ASEM)の首脳会議にも出席する。
クラウス大使によると、両首相は会談で、中国の独占禁止に係る調査の詳細を含め、外国企業の公平な利益を保護するための法について話し合われると述べた。
中国の独占禁止法当局は9月、ドイツ大手自動車メーカー・フォルクスワーゲンと同米クライスラーに対し、自動車や補修部品の価格を不正につり上げていたとして、合わせて約3億1千万元(約54億円)の罰金を科した。
李首相が独占禁止法の調査は中国国内企業も対象だと主張しているのに対し、クラウス大使は、調査は外資企業が狙いで「外資たたき」であるとの見方を示した。中国の欧州商工会議所も、外資会社が不当に扱われると不平を述べている。
クラウス大使は、中国が独占禁止法を制定することは合法的だが、「問題はその実行方法だ」と述べる。中国では同法について、裁判所の判決のみならず、商務省、国家発展改革委員会、中国工商当局が関わっていると指摘する。「調査がどのように実施されているかが問題だ。一部企業は不透明さに不満を持っている」と述べた。
メルケル首相と李克強首相は人権、外交政策、経済、金融など様々な分野について会談する予定。
メルケル首相は4日、香港で続く学生等による民主化デモについて「言論の自由が尊重されなければならない」と話した。クラウス大使は、香港のデモについて両首相が話し合うのかについては明言を避け、「平和的に解決するように望む」と述べるにとどめた。